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Peace Now!21

“平和”について   名古屋大学平和憲章集   平和憲章全文   エッセイコンテスト   入選作品   講評  


“平和”について考えたことありますか?
みなさん、大学生協の基本理念をご存じですか?…それは、「For Peace and Better Life-平和とより良い生活のために」です。組合員の皆さんにより良い生活を提供するとともに、“平和”も基本理念に含まれているのです。“助け合いの輪”をもっと広げていこうということです。そもそも平和でなければよりよい生活もありえません。

さて、今年は『戦後の還暦』、つまり終戦から60年が経ちました。8月頃にはテレビで戦争や平和に関するドキュメンタリーやドラマがたくさん放送されていましたが、最近“平和”について考えたことがありますか?あえてこのような言い方をしますが、“平和”なんてそう難しいものでもないのです。今号から平和に関する記事の連載を始めます。この連載を通して、平和について考えることがそう難しくないことに気づいてもらいたいと思います。

第一回目は、身近にあるのにあまり知られていない、名大の平和憲章を取り上げます。

食堂からのお知らせ



名古屋大学平和憲章をご存じですか?
前々号のMe〜dia6に緑色のビラが挟み込まれていたのを覚えていますか?下記で結果などをお知らせしますが、あれは「名古屋大学平和憲章エッセイ」募集のお知らせでした。あの機会に初めて平和憲章に触れた方もいると思います。

名古屋大学平和憲章は、1987年2月5日名古屋大学の全構成員(学生・院生・教職員・生協職員)の過半数(8523名,58%)の批准署名を得て制定されました。

当時は冷戦の真最中で、際限のない軍拡が各国で行われていました。このような「研究の成果を軍事技術に利用しようとする動き」が強まる中、大学では「平和と大学」のあり方についてさまざまな議論が交わされていました。名古屋大学では「平和と幸福を展望した人類の未来のために研究と教育を発展させる名古屋大学」をめざし、この平和憲章が制定されることになりました。多くの人々の手による約四年に及ぶ苦労を経て書き上げられたこの平和憲章は、英訳され全世界に向けて発信されました。当時のユネスコの事務局長からは「平和憲章はユネスコ憲章の精神と完全に一致している。名古屋大学は孤立していない」という趣旨の返信をいただきました。そう、世界に誇るべき憲章なのです。
 下記に平和憲章の全文を掲載しました。一度読んでみてください。
Me〜dia6を全学で受け取った方は、取るときにビラが抜け落ちてしまい、申し訳ありませんでした。
署名用紙
署名用紙

制定記念集会の様子
制定記念集会の様子


参考文献:『平和への学問の道』
今回、この記事を書くのにお世話になったこの本を紹介します。この本では、平和憲章が制定されるまでが詳細に書かれています。平和憲章についてもっと詳しく知りたいと思った方は、一度読んでみてはいかがでしょうか?
名古屋大学平和憲章制定実行委員会・編著
1987年 あけび書房 1,365円(税込)
平和への学問の道

食堂からのお知らせ



平和憲章を読んだことがありますか?
以下に平和憲章の全文を掲載します。
名古屋大学平和憲章(1987.2.5制定)
 わが国は、軍国主義とファシズムによる侵略戦争への反省と、ヒロシマ・ナガサキの原爆被害をはじめとする悲惨な体験から、戦争と戦力を放棄し、平和のうちに生存する権利を確認して、日本国憲法を制定した。
 わが国の大学は、過去の侵略戦争において、戦争を科学的な見地から批判し続けることができなかった。むしろ大学は、戦争を肯定する学問を生みだし、軍事技術の開発にも深くかかわり、さらに、多くの学生を戦場に送りだした。こうした過去への反省から、戦後、大学は、「真理と平和を希求する人間の育成」を教育の基本とし、戦争遂行に加担するというあやまちを二度とくりかえさない決意をかためてきた。
 しかし、今日、核軍拡競争は際限なく続けられ、核戦争の危険性が一層高まり、その結果、人類は共滅の危機を迎えている。核兵器をはじめとする非人道的兵器のすみやかな廃絶と全般的な軍縮の推進は、人類共通の課題である。
 加えて、節度を欠いた生産活動によって資源が浪費され、地球的規模での環境破壊や資源の涸渇が問題となっている。しかも、この地球上において、いまなお多くの人々が深刻な飢餓と貧困にさらされており、地域的および社会的不平等も拡大している。「物質的な豊かさ」をそなえるようになったわが国でも、その反面の「心の貧しさ」に深い自戒と反省がせまられている。戦争のない、物質的にも精神的にも豊かで平和な社会の建設が、切に求められている。
 今、人類がみずからの生みだしたものによって絶滅するかもしれないという危機的状況に直面して、われわれ大学人は、過去への反省をもふまえて、いったい何をなすべきか、何をしうるか、鋭く問われている。
 大学は、政治的権力や世俗的権威から独立して、人類の立場において学問に専心し、人間の精神と英知をになうことによってこそ、最高の学府をもってみずからを任じることができよう。人間を生かし、その未来をひらく可能性が、人間の精神と英知に求められるとすれば、大学は、平和の創造の場として、また人類の未来をきりひらく場として、その任務をすすんで負わなければならない。
 われわれは、世界の平和と人類の福祉を志向する学問研究に従い、主体的に学び、平和な社会の建設に貢献する有能な働き手となることをめざす。
 名古屋大学は、自由闊達で清新な学風、大学の管理運営への全構成員の自覚的参加と自治、各学問分野の協力と調和ある発展への志向という誇るべき伝統を築いてきた。このようなすぐれた伝統を継承し、発展させるとともに、大学の社会的責任を深く自覚し、平和の創造に貢献する大学をめざして、ここに名古屋大学平和憲章を全構成員の名において制定する。

1. 平和とは何か、戦争とは何かを、自主的で創造的な学問研究によって科学的に明らかにし、諸科学の調和ある発達と学際的な協力を通じて、その成果の上に立ち、平和学の開講をはじめ、一般教育と専門教育の両面において平和教育の充実をはかる。
平和に貢献する学問研究と教育をすすめる大学にふさわしい条件を全構成員が共同して充実させ、発展させる。
2. 大学は、戦争に加担するというあやまちを二度とくりかえしてはならない。
われわれは、いかなる理由であれ、戦争を目的とする学問研究と教育には従わない。
そのために、国の内外を問わず、軍関係機関およびこれら機関に所属する者との共同研究をおこなわず、これら機関からの研究資金を受け入れない。また軍関係機関に所属する者の教育はおこなわない。
3. 大学における学問研究は、人間の尊厳が保障される平和で豊かな社会の建設に寄与しなければならない。そのためには、他大学、他の研究機関、行政機関、産業界、地域社会、国際社会など社会を構成する広範な分野との有効な協力が必要である。
学問研究は、ときの権力や特殊利益の圧力によって曲げられてはならない。社会との協力が平和に寄与するものとなるために、われわれは、 研究の自主性を尊重し、学問研究をその内的必然性にもとづいておこなう。
学問研究の成果が人類社会全体のものとして正しく利用されるようにするため、学問研究と教育をそのあらゆる段階で公開する。
社会との協力にあたり、大学人の社会的責任の自覚に立ち、各層の相互批判を保障し、学問研究の民主的な体制を形成する。
4. われわれは、平和を希求する広範な人々と共同し、大学人の社会的責務を果たす。平和のための研究および教育の成果を広く社会に還元することに努める。
そして、国民と地域住民の期待に積極的に応えることによって、その研究および教育をさらに発展させる。
科学の国際性を重んじ、平和の実現を求める世界の大学人や広範な人々との交流に努め、国際的な相互理解を深めることを通じて、世界の 平和の確立に寄与する。
5. この憲章の理念と目標を達成するためには、大学を構成する各層が、それぞれ固有の権利と役割にもとづいて大学自治の形成に寄与するという全構成員自治の原則が不可欠である。われわれは、全構成員自治の原則と諸制度をさらに充実させ、発展させる。

 われわれは、この憲章を、学問研究および教育をはじめとするあらゆる営みの生きてはたらく規範として確認する。そして、これを誠実に実行することを誓う。

食堂からのお知らせ



平和憲章エッセイコンテスト
毎年生協では『名古屋大学平和憲章エッセイ』を募集しています。平和憲章を読んで感じたことを自分の言葉で表現してもらい、平和を考える一つのきっかけにしてもらおうというものです。今年は10通の応募がありました。ここで今年のコンテストの審査結果と入選作品を紹介します。

平和憲章エッセイ結果発表
入選(1名) 「私と戦争と平和」 石橋歌織
佳作(5名) 「ナウシカと顔を隠した科学者たち」 守谷宙
  「自分を見失いそうなときに」 丹羽亜衣
  「『被害者日本』の誤解」 倉科信吾
  「peaceful world」 片山友愛
  「平和とは戦争とは」 澤田英之

食堂からのお知らせ



入選作品
ここに入選作品を掲載します。
「私と戦争と平和」 石橋歌織
 私が戦争を初めて知ったのはいつだろうか。このエッセイを書くにあたり、私はふと疑問に思った。戦争に関する記憶で最も古いものは、昔母に読んでもらった物語だ。その物語は、戦争中、海で死んだ少年兵の最後の言葉を魚が母親の元へ届けに行くという話で、少年兵の、母親への愛情に満ちた切ない言葉に私は涙が止まらなかった。恐らく私はこの物語を通して初めて戦争の悲惨さを知ったのだ。しかし幼い私は当時起こっていた湾岸戦争が、なぜか物語で読んだ悲惨な戦争と同じものとは思いもしなかった。
 今思えば、私の周りには幼い頃から戦争と平和は案外近くにあったのだ。小中学校では平和教育で戦争と平和について学んだ。高校では歴史でなぜ戦争が起き、現在の世界ができたかを学んだ。またメディアではカンボジアの戦争、難民問題など様々な世界の様子を幾度となく目にしてきた。そのたびに私は二度と戦争が起きてはならないと強く思い、戦後の今が平和であることに安心していた。しかしイラク戦争が始まって初めて『戦後』の今でも戦争が起きているのだという事をはっきりと認識させられた。『戦後』とは『第二次世界大戦が終わった後』でしかないのに、『全ての戦争が終わった後』と私は錯覚していたのだ。錯覚に気付いた私は、世界から戦争をなくし、様々な意味を持つ本当の平和を作っていかなければと思うようになった。
 今年、日本は戦後六十年を迎える。確かに現在の日本は戦闘状態としての戦争はしていない。しかし、本当に戦争が終わり、平和な状態と言えるのだろうか。靖国問題での中国との対立や米軍基地問題など、先の大戦の問題は未だに解決しておらず、『戦争途中』の状態だ。世界では私がこの文章を書いている間も、実際に命を奪い合う『戦争中』の国や、今日の食べ物に困る人々がいる。むしろ今が平和でよかったと思う人々よりも多いのかもしれない。我々はともすれば今までの私のように、今の世界は平和であると錯覚してします。自分の周りだけではなく世界に目を向け、比較的『平和』な状態にいる自分が何か出来ることはないか、と思い始めることが『戦後』の今、大切な事だと思う。
 私は大学に入り、ユニセフ班の活動を通して、平和のための様々な活動を知った。二度と戦争につながる教育や研究をしないと宣言した名古屋大学平和憲章や、生産者に配慮した公平な貿易を目指すフェアトレードなど、自分よりずっと早く世界がまだ平和になりきっていないことに気付き、思いを形にした人々がこんなにもいたことは驚きだった。人間は間違いをするけれど、それを直すこともできる動物だ。多くの人が同じ人間を敵とみなし、殺しあうという間違いを犯しても、同じほど多くの人がその間違いに気付き、直そうとすることができるのだ。私は幼い頃に戦争は間違いだと気づいても、行動することなく平和の中に生きてきた。今、本当の平和とは何かと改めて考え、それを作るために自分が出来ることに気づいたばかりでまだまだ知らない事は多く、何か出来たらと思いながらも形にするのは困難だということに日々気づかされる。しかし、名古屋大学平和憲章のように思いを同じくする人が集まれば、何とか思いを形にすることは出来るのだ。これからの私は自分なりの平和への思いを多くの人に伝え、積極的に行動することで、その思いを平和へとつながる形に変えていきたい。

平和憲章はもともと個人的な“雑談”から始まったものですが、最終的にこのような大きなものになりました。だから、ちょっとしたものでも「何か出来たら」という想いを抱いたのであれば、それを形にして発信することが大切だと思います。やがてはそれが大きな運動になるかもしれません。
先日平和学習のために沖縄へ行ってきました(そのことについて詳しくは今後この記事で書きます)。沖縄には米軍基地という平和を脅かす存在が市民の生活する街の中にあります。戦争が普段の生活と隣り合わせにあるのです。ここでは、戦争を身近な問題として考えることができます。平和については、
自分の問題として引きつけて考える姿勢が大切です。

食堂からのお知らせ



審査員による講評
福家俊朗名大生協理事長
名大平和憲章にも言及しつつ、自分が置かれている「世界」や身近な経験を素材にした戦争・平和論が多かったようです。ただ、「戦争状況」を打破し、アクチュアルな恒久平和の実現を希求する構想力があまり見られなかったことは残念でした。
星野香名大生協副理事長
昨年と比して、平和憲章を読んで自分なりに戦争や平和について言及された作品が出てきた事は評価されます。しかしながら応募数が少なく、佳作作品と言えども審査員の過半数が押したわけでない事を、敢えて申し上げます。来年以降は、応募者数が少なくとも数十人になるような企画になれば作品の質もおのずと向上する事と、期待しています。
箕浦昌之名大生協常務理事
名古屋大学平和憲章を読んで書かれた作品も増え、視点は良くなっているが、全般的にインパクトに弱かった。平和のために何が必要か、自分で何ができるかに言及した人もいたが、過去や現在の状況認識や課題の設定などにまとめる力の弱さを感じた。
柴田敏之名大生協理事
応募があった十作品を繰り返し読ませていただいた。その中で名古屋大学平和憲章を読み、自らの考えと重ね合わせて論じたエッセイが増えたことをまず評価したい。
どの作品にもきらりと光る部分があるものの、全体として深まりが乏しかったり、また、評論はあっても自らの課題としてとらえてきれていない作品もあった。今後は、平和憲章を自らの将来や今後の行動と結びつけて論じた作品を期待したい。それは、18年前に制定された名古屋大学平和憲章が、いまも大学構成員の規範としての輝きと力を失っていないと信ずるからである。
審査委員会では、入選作として「私と戦争と平和」(石橋歌織)を推す意見と、「ナウシカと顔を隠した科学者たち」(守谷宙)を推す意見でほぼ二分した。私は、表現に未熟さはあるものの、成長過程での新たな発見に新鮮な感動を表現した点と、平和を自らの課題として受けとめようとする姿勢に共感して、「私と戦争と平和」を推した。応募された皆さんの今後の活躍に期待したい。
河合利秀名大生協理事
全般的に、平和憲章を読んで感じたことや考えたことが多く語られたと思います。自分の体験をとおして、自分の言葉で語られたものもいくつかあり、僕自身は共感できました。しかし同時に、問題の掘り下げは今一歩だとも感じました。
これからも、大学生らしく、「科学的な歴史認識」や「平和を創造する学問の創設」に迫るものを期待しています。

以上
2005年7月20日
平和憲章エッセイ審査委員会


平和憲章シンボルマーク
平和憲章シンボルマーク
1996年に平和憲章制定10周年を記念し、学生・院生から広く募集して制定されました。「Peace」と「Charter」の文字をあしらってあります。
平和憲章制定を伝える新聞記事
平和憲章制定を伝える新聞記事
各新聞社が熱い取材合戦を展開し、この名大での新しい動きは大きく報道されました。
平和憲章制定を呼びかけるポスター平和憲章制定を呼びかけるポスター
平和憲章制定を呼びかける
ポスター
このポスターは当時、大学構内各所に貼られていました。

食堂からのお知らせ

所属する階層に関係なく、一大学人として平和への捉え方を示した名古屋大学平和憲章。硬い文章で書かれていますが、“平和を願う気持ち”はストレートに伝わってくるのではないでしょうか。何か感じるものがあった方は、ぜひ来年の平和憲章エッセイコンテストに応募してみてください。
文責:ハムハム




「月」と聞いて思うこと
<空>
月とスッポンと言いますが、どういうポイントを比較しているのかよくわかりませんよね。ところで運のことをツキともいいますが、これは月の周期と関係があるのでしょうかね。結論としては、月よりだんごです。
(だつ)

月と言われたら、やっぱり秋の満月が印象深いです。
(シュウセイ)

オオカミ男は満月の夜に吠えるらしい。
最近私は、なぜか思い切り叫んでみたい、という欲望に支配されている。
だから、私もオオカミ男のように、満月の夜に吠えてみたいと思っている今日このごろです。
(ひでっちょ)
「満月だよ〜。」と言われて、空を見たら、黄色い光がろうそくの様にゆらゆら揺れて見えました。何か変だなぁと思って、家のマンションのエレベーターのパネルを見たら、パネルの電光文字も揺れて見えました。乱視だったと気付いたのはずいぶん後のことです。
(みっくす)

 

<空>
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