Me～dia 2004年度第3号【名古屋大学消費生活協同組合】

HOME > 学生委員会 > Me～dia > Me～dia7月号 > Me～dia日本語力養成講座

ジ

：

今回のテーマは『正しく言葉を使う』だ！
前にも言ったが、言葉を間違えて使っているとかなり恥ずかしい。今回はみなさんがあやふやな定義のまま使っていそうな言葉を集めてみたから、今一度言葉の定義を確認してほしい。また、このコーナーの後半では、接客業で使ってはいけない言葉を紹介する。

ジ

：

突然だが篠崎君に問題だ！

篠

：

はーい。

ジ

：

“情けは人のためならず"ってどういう意味だ？

篠

：

情けは人のためではないって意味ですぅー。

ジ

：

…それじゃぁ、“転石苔むさず"ってどういう意味だ？

篠

：

転がる石には苔が生えないって意味ですぅー。

ジ

：

そのまんまじゃないかぁ !!

(注)	言葉の持つ意味は時代と共に常に変化していくものなので、『辞書に書いてある用法以外は間違いだ！』という考えはよくないことかもしれません。しかしみなさんに日本語の知識を深めてもらおうということで、ここでは敢えて『辞書に基づいた言葉の使い方をしよう』という姿勢をとりました。このコーナーは『標準語以外を否定する』という趣旨ではないということをご理解ください。

日本語には「お疲れ様」、「ご苦労様」という2つの似た言葉がありますが、「ご苦労様」はどちらかというと目下の人に対して用いるとされています。
アルバイト先で目上の人に対しては「ご苦労様」ではなく、「お疲れ様」を使うのが無難だといえます。

「話し合いが煮詰まる」とは十分に議論が行われて結論が出る状態になることです。
「話し合いが行き詰る」に似ているので「先に進まなくなる状態」だと思いがちですが、「仕上げの段階になる」という意味なのです。

ホームページというのは本来、「ブラウザで一番最初に表示されるページ」のことを言います。世間一般で「ホームページ」と呼ばれているものは正式にはウェブサイトと言います。
「私のホームページにようこそ」という表現はとても多く使われていますが、言葉のもともとの定義から考えると間違っています。

補足

しかし「ホームページ」という言葉があまりに浸透してしまったため、日常では「ホームページ」と「ウェブサイト」の言葉の区別はあまりされていません。また最近、「ホームページ」という言葉は、「国の機関が作るページ」、「企業のサイトのトップページ」を指すようにもなってきています。

ハッカー(hacker)とはネットワークを使った犯罪者だと思われがちです。でも実は「コンピュータやネットワークにとても詳しい人」のことで、「職人」とか「名人」のように敬意が込められた言葉なのです。
それに対して、人のコンピュータに勝手にアクセスしたり、データの破壊活動を行なう人はクラッカー(cracker)と呼ばれます。

確信犯とは「悪いことだと知りながら行なった犯罪」ではなく、「道徳的・宗教的または政治的確信に基づいて行われる犯罪」という意味です。
「生きていくにはこうするしか仕方ない」と言って物を盗む犯罪→確信犯とは呼ばない
「悪人はこの世には必要ない」と言って犯罪者を殺していく犯罪→確信犯

放射能のことを英語でradioactivityと言います。
これはつまり、「ウランやプルトニウムといった物質が放射線を出す活動、放射線を出す性質」と指す言葉です。「放射能を浴びて被爆する」、「放射能が漏れる」といった表現は厳密に言うと間違いで、正しくは「放射線を浴びて被爆する」、「放射性物質が漏れる」だと思われます。

「人の噂をしているとその人が現れる」という意味のことわざです。
「うわさをすれば何とやら」ということわざがあると思っている人がいると思いますが、この「なんとやら」という部分は、「犬も歩けばなんとやら…」、「三人寄ればなんとやら…」のように単なる略です。

オプションとは「選択権」のことです。よく車の宣伝で「カーナビのオプション付き」という表現がありますが、それは「カーナビを付けるか付けないか選ぶことができますよ」ということを言っているのです。「付属品」とか「プラスアルファ」とか「おまけ」とか、そういった意味の言葉とはちょっと違います。
また余談ですが、付属品のことを英語で「アクセサリー」と言います。