| 名古屋大学大学院には、74の国・地域からやってきた1,187人の留学生が在籍しています。このコーナーでは、その中から毎回1人に、日本の印象、日本で生活して楽しかったこと・困ったこと、思い出に残ることなどを紹介してもらいます。 |
初めて日本を訪れたとき、日本の上空で懸命に富士山を探していた自分の姿を鮮明に覚えている。学部生時代の交換留学と名古屋大学大学院進学を経て、留学生活は既に3年の月日が流れた。
これまでの3年間、書物では知りえない日本の素顔を目の当たりにし、自分の体で感じてきた。泣いたり、笑ったり、考えたり、悔やんだり、楽しんだり、悲しんだり。こうしてごく普通の留学生活を送ることができた。そして成長した。
私が日本で得たいくつもの「タカラモノ」を、みんなに知ってもらいたい。その思いに促され、筆を取り、この文を綴ってみることにした。
|
 |
大学院の入試に合格して、意気揚々の私がゼミに参加してまもなく気づいたことがある。先生が「教えてくれない」ことだ。
これまで受けてきた中国での教育は、初等教育から高等教育まで、先生がいつも「この参考書は重要であるから読むべきだ」「○○論とは、○○の意味であって、これは重要だから、覚えておいたほうがいい」「論文はこういうものだから、こう書くべき」と、隅から隅まで教えてくれた。宿題が多い代わりに、先生の教えが徹底的であって、教え通りにすればだいたい良い成績を修めることができる。
しかし、日本では対照的に、先生は「教えない」のである。適当なアドバイスはするけれど、明確な教えは決してしない。このやり方に慣れない私は、何を読んで勉強すればいいか全く分からず、焦っていた。
途方に暮れた時、ゼミの先輩がこう教えてくれた。「日本では先生に教えてもらうではなく、先生や先輩のやり方を見て、自分で学問の道を探すのだ」「先生に教えてもらうより、自ら進んで先生から学問を盗むべきだよ」。そう言われた時、先生に教えてもらおうとただひたすら待っていた自分の甘さに初めて気づいた。
学問の道は自分で模索しながら開くものである。教えてくれない先生が、教え 方が一番うまい先生であるかもしれない。 |
 |
生活習慣、考え方などが母国と異なる日本にいると、普段の生活も「刺激」に満ちたものである。ある日、初めて日本人の友人を家に招待した。腕をふるって本場の中華料理を何品か作ってあげた。友人が大満足して帰宅したすぐ後、電話が鳴った。料理に唐がらしを入れすぎたため、彼女はお腹を壊したのかなと恐る恐る電話を取ると、「先ほどはどうもありがとうございました。ご馳走さまでした。たいへん美味しかったです。」とお礼の一言。お礼なら、つい先程山ほど言われたのに、おかしな人だなぁと思った。さらに2週間後、私がもう招待したことをほとんど忘れた時に、道端でばったり出会って、「先日はどうもありがとうございました。」とお礼を言われた。
とりわけ礼儀正しい人と会ったのかなと思ったが、その後も、同様の経験を数多くした。次第にこの作法が人間関係を円滑に運ぶための良い手段であると気づき始め、最初の違和感も自然に消えていった。今では、日本人の家を訪ねた後は、すぐ携帯を取り出し、「先ほどはどうもありがとうございました」とお礼を言うようになっている。 |
 |
 |
軽やかに国境を越え、テキパキと仕事をこなすキャリアーウーマンに憧れ、ビジネスを舞台に、中国と日本の架け橋になることを夢見ていた。この夢の実現に向け、私は去年の2月、日本で就職活動を始めた。
中国では、1回か2回の面接で内定をもらうのが普通であるのに対して、日本では、OB訪問、説明会、エントリーシート、筆記試験、集団面接、ディスカッション、小論文、二次面接、最終面接・・・などがあって、とにかく「情報戦」と「体力勝負」だった。日本語も日本社会のビジネス習慣への理解も日本人の学生より劣っている留学生を採用してくれるかな。そんな不安を抱えながら、日本人の学生の中に交わって、とにかくあらゆる情報を集め、東京、大阪、名古屋へ飛び回っていた。
自分が何をしたいか、日本での就職活動は、たった一つの命題をじっくりと考えさせられる良い機会であった。自分と真剣に向かい合い、本音をエントリーシートに書き込んだ。就職活動では、基本的には本当の自分を正直に伝えることが第一だと思う。これまで考えてきたこと、歩んできた道は、人それぞれ必ず違うのである。これまで自分がやってきたことを振り返って、もっとも打ち込んできたことや、異国での成長、ありのままの姿を見せるのが一番の近道かもしれない。自分が持っているオリジナリティ、こだわりたい部分、熱意と真剣さをそのまま相手に伝えたら、きっと一番合う会社と巡り会える、そう信じて、積極的に取り組んだ結果、2ヶ月後に長年憧れていた企業の内定をもらうことができた。
現在海外事業を展開し、発展しつつある海外マーケットに注目している日本企業が多く存在する。そうした環境の中、20年前10年前より、積極的に留学生を採用する企業が多くなってきた。母国の言葉と日本語を駆使し、母国と日本への理解および比較ができる留学生、この独特な立場は大いに「利用」できるものだと思う。
しかし、留学生だからと言って、特別視を求めてはいけない。就職活動において、留学生は基本的には日本人の学生とまったく同じように見られている。言い換えれば、日本人の学生と同様の能力、モラルが求められる。その意味では、留学生という身分で得することもなければ、損することもない。就職活動を経て、つくづくそう思った。
日本には10万人以上の留学生がいる。学問にしても、生活にしても、異国にいる留学生にとって、たいへんなことがたくさんある。しかし、みんながそれぞれの目標を胸に、困難を乗り越えて、自分なりに努力している。
一人の留学生が一つの物語を語るとすれば、10万以上の物語がある。あなたの物語も一つ加えてみませんか? |
 |
 |
 |
| Q6. |
Me〜diaのアンケートを送ると図書券が当たるみたいですが、図書券を当てるコツはありますか? |
| A6. |
図書券の当選者は、毎回ランダムな方法で決定しています。しかし、アンケートの枚数が多いときでもかなり高い確率で当選します。編集部では、みなさんからの多くの感想や意見をお待ちしています。(編集部) |
|
|
 |
 |
|