外国語学習のアドバイス

朝鮮・韓国語を学ぶために

宇都木 昭(国際言語文化研究科)

はじめに

朝鮮・韓国語は、主に大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国で用いられている言語です。両国の言葉には方言差とみなせる程度の多少の違いがありますが、基本的には同一の言語とみなすことができます。この言語は日本では「朝鮮語」「韓国語」など様々な名称で呼ばれていますが、同じ言語を指しています。

言語名が様々であるため、辞書や参考書を選ぶ際にも、使われている言語名によって内容が大きく違ってくるのではないかと思うかもしれません。しかし実際には、どのような言語名が使われているにしても、近年日本で発行されている辞書や参考書の多くは、韓国の標準的な言葉づかいを中心に扱っているものがほとんどです。

I. 辞書

辞書には紙媒体のものもあれば電子辞書もあります。どちらがよいかは人によって違うので何とも言えませんが、自分の学習スタイルにあわせて選ぶとよいでしょう。以下に挙げる辞書は紙媒体のものですが、同じものが収録された電子辞書も販売されています。


  1. 『朝鮮語辞典』(小学館 7,770円)
    やや高価なものの、使いやすく収録語彙数も多い韓日辞典。巻末の日本語索引が簡易版の日韓辞典として使えます。
  2. 『ポケットプログレッシブ韓日・日韓辞典』(小学館 3,200円)
    上述の『朝鮮語辞典』と同じ編者の手による小型の辞書。韓日辞典としては『朝鮮語辞典』の簡易版といったところですが、日韓辞典もついているのが特徴です。

II. 学習書(初級)

朝鮮・韓国語を一から学ぶという場合、大学の授業を履修するのが一般的だと思います。授業できちんと学び、予習復習も欠かさないことで、基礎をしっかりと身に着けることができるでしょう。しかし、人によっては、授業をとらずに独学で学ぶという人もいるかもしれませんし、授業だけでは物足りずもっと勉強したいという人もいるでしょう。以下はそういう人たちにおすすめの本です。

  1. 野間秀樹 編著・金珍娥 著(2012)『韓国語学習講座「凛」1 入門』(大修館書店 2,800円)
  2. チョヒチョル(2011)『本気で学ぶ韓国語』(ベレ出版 2,500円)
    授業を通してではなく独習で朝鮮・韓国語を学びたいという人にとっておすすめなのが、上の2冊。どちらも文法の解説が詳しいのが特徴です。

III.学習書(中級以上)

中級以上のレベルになってくると、大学で履修できる授業のオプションは残念ながらかなり限られてきます。しかしその一方で、基礎さえしっかりしていれば、様々なかたちでの独習が可能だともいえます。以下に様々なタイプの教材を紹介しますので、自分のレベルと好みにあった教材を選んでみてください。

  1. 野間秀樹・金珍娥(2004)『Viva! 中級韓国語』(朝日出版社 2,900円)
    中級レベルの朝鮮・韓国語を独習するのにおすすめの一冊。文法の解説が詳しいです。
  2. 須賀井義教(2016)『韓国語文法ドリル 初級から中級への1000題』(白水社 2,100円)
    初級レベルの文法を復習しつつ中級レベルの文法をドリル形式で学んでいくという本。文法を中心に学びたいという人におすすめ。
  3. チョジェヒ・オミナム(2011)『聞く!解く!分かる!リスニング韓国語中級』(HANA 2,300円)
    朝鮮・韓国語の中級レベルのリスニング力を高めたいという人におすすめの一冊。
  4. 金順玉・阪堂千津子・岩井理子(2014)『日本語を活かしてつかむ中級韓国語のコツ』(白水社 1,800円)
    朝鮮・韓国語を学習していると、様々な類似の表現が出てきて、どういう状況でどれを使えばいいのか悩むことがあります。本書は、そういった類似表現の使い分けに焦点をあてた学習書です。中級の学習がある程度すすんだ人にとって役に立つでしょう。
  5. コーディネートワン・インターナショナル(2012)『朝鮮日報の記事で学ぶ韓国語リーディング』(アルク 2,500円)
    朝鮮・韓国語の学習方法の一つとして韓国の新聞記事を読むというのがありますが、語彙力が足りないうちはどうしても辞書を引きまくることになってしまいがちです。本書では、難しい単語や慣用表現の意味が最初から付されているため、効率的に新聞読解の学習ができるようになっています。
  6. 波田野節子(2013)『中・上級者のためのハングル長文読解講座』(NHK出版 1,600円)
    新聞と比べて難易度が高いのが、エッセーや小説の読解。本書は韓国の小説家オ・ジョンヒのエッセーを扱った教材です。ちょっとレベルの高い読解に挑戦してみたい人におすすめの一冊。

IV. 文法書

朝鮮・韓国語の文法書としては、以下の4冊を挙げることができます。文法でわからないことが生じたときに参考にすることができるでしょう。

  1. 趙義成(2015)『基本ハングル文法』(NHK出版 2,300円)
  2. 長渡陽一(2013)『初級を卒業した人のための韓国語文法』(ナツメ社 2,200円)
  3. 韓国・国立国語院(2012)『標準韓国語文法辞典』(アルク 6,200円)
  4. 白峰子(2004)『韓国語文法辞典』(三修社 4,600円)

V. 韓国語能力試験対策

朝鮮・韓国語の能力試験として代表的なものに、韓国政府が認定・実施する韓国語能力試験(Test of Proficiency in Korean; TOPIK)があります。この試験は2014年下半期に改編されましたので、試験対策の学習をする上では、新基準に対応した教材を選ぶのがよいでしょう。試験はTOPIK I(初級)とTOPIK II(中級・上級)に分かれます。主なものとして、以下の教材を挙げることができます。

  1. 韓国語評価研究所(2014)『韓国語能力試験TOPIK I 初級完全対策』(HANA 2,300円)
  2. 韓国語評価研究所(2015)『韓国語能力試験TOPIK II 中・上級完全対策』(HANA 2,600円)
  3. シンヒョンミ・イヒジョン・イサンミン(2016)『韓国語能力試験TOPIK II 必須単語完全対策』(HANA 2,600円)
  4. 前田真彦(2015)『韓国語能力試験TOPIK II 作文完全対策』(HANA 2,000円)
  5. 新大久保語学院・全ウン・金賢珍(2015)『新・合格できる韓国語能力試験 TOPIK I』(アスク出版 1,700円)
  6. 新大久保語学院・全ウン(2014)『新・合格できる韓国語能力試験 TOPIK II』(アスク出版 2,200円)
  7. 李昌圭(2015)『韓国語能力試験合格対策講座1 NEW TOPIK I[1級・2級編]』(白帝社 2,500円)

標記の価格はすべて税抜の本体価格です。

外国語学習のアドバイスTOPへ戻る