Me~dia12月号
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19●学読本舗活字中毒学読的今年最後の学読的活字中毒、いったいどんな本が紹介されるのでしょうか?No.15職員のつぶやき 便利な世の中になったもので、書籍の注文をメールで受けて、書店専用ホームページから発注するスタイルが基本になった。電話でのやりとりがメインだった頃に比べると、電話の声が聞き取りにくかったり、早口で焦ったり、聞き間違ったりという心配がぐっと減った。 しかし、日本語という豊かな言語なればこその落とし穴があり……。「理由」と書いて「わけ」と読ませたり、「悲しい」「哀しい」を使い分けたり。「僕がほにゃららする訳」との注文メールが、実は「僕がほにゃららする理由」だったなんてことが、つい最近もあった。そういう時は面倒だなぁと感じるが、漢字、平仮名、そしてカタカナも駆使して微妙な意味・ニュアンスの表現ができる日本語を、愛おしく大切に使っていきたいと思う今日この頃である。 (医学部書籍 服部聡子)今年一番面白かった本を紹介し合うのも楽しいかもしれませんね。来年も読書に励みたいものです。文責:学読班 自分の職場が森の中にあり、ご近所に農学部もあるので「お仕事小説 自然編」という惹句が気になり手に取りました。志を持ってその世界に飛び込んだ話かと思いきや、都会でゆるく働こうとしていた主人公が、半ば強制的に三重県の林業現場に送り込まれるところから物語がスタートします。林業お仕事小説の側面もありますが、豊かな自然、温かな人情、のどかな村の様子、幻想的な事件の数々など、ジブリで映像化してほしいファンタジー要素が盛りだくさんです。11月末、続編の『神去なあなあ夜話』が発売予定で楽しみです。 (Booksフロンテ 丹羽)神去なあなあ夜話三浦しをん/著徳間書店 もともと重松さんの心温まる小説が好きだったので人に勧められて何気なく買ったこの本ですが、そういった私の知っている重松作品とは違い、読むのに体力が要るような、とても重い現実を突きつけられる作品でした。いじめ、一家離散、暴力などを扱い、人の心の闇を表現した作品です。さくさくっと軽く読めるような小説ではありません。ひたすら重い小説です。主人公シュウジの過酷で救いようのない人生が丁寧に描かれています。この作品の最大の特徴はそれを2人称の視点から語っていることでしょう。ラスト数ページまで正体がわからない、この人物のあたたかいまなざしと随所に現れる聖書からの引用がこの物語の中でほとんど唯一の光となっているように私は感じました。(1年 佐々木春菜)疾走重松清/著角川文庫そもそも本に埋もれている部屋なので本しか出てこない気も…… でも中高時代の思い出の品とか出てきてくれたら嬉しいですね。卒業時にもらった手紙とかがどっかの本に挟まってる。(かいちょ)

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