Me~dia10月号
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Me~dia 10 学読本舗27我慢は大事……な人ばかりではないみたいですね。何事もほどよく、が良いということなのでしょうか。さてさて次はなんとも言い表しにくいリクエストです。“ホームチック”さんのリクエスト「どうでもいいけど気になること」、いってみましょう!(編集長)活字中毒学読的今月は学読班員から2冊、職員さんから1冊紹介があります。長い夏休み、皆さんどんな本を読まれましたか?No.14職員のつぶやき~小説の舞台を訪ねる~ 鶴舞キャンパスからこんにちは。医学部書籍店の鈴木です。普段、忙しさにかまけてなかなか本を開かない私ですが、この夏はいくつか小説を読みました。なかでも、夏川草介『神様のカルテ』(小学館)はずいぶん気に入って、舞台となった松本まで足をのばしてしまいました。当日は松本駅から縄手通り、松本城までをぐるりと散歩して、ガラス細工や絵本のお店をのぞいたり、主人公の妻・榛名が、松本城のお堀で月の写真を撮っている光景を想像してみたり……天守閣の姿も写真に収めました。しかし、松本から帰った後、2巻を読み進めていくと「城に背を向けて見る山が大変美しい」とあり……黒々とした天守閣にばかり気をとられていた松本初心者っぷりを恥じ入りました。これでも行くの4回目なんですけどね。『神様のカルテ』は医学部書籍店でも大人気です。作中の医療用語は予備知識がなくても読めます。心温まるお話ですので、ぜひどうぞ。 (医学部書籍 鈴木)秋の夜長に静かに読書、風流なひと時を過ごしてみませんか?オススメの本を見つけたらぜひ紹介してください♪文責:学読班いつか記憶からこぼれおちるとしても 江國香織/著 朝日新聞社 少し前まで私のまわりにあった風景、日常。そういったものがもう既に褪せ、色を変えはじめているのに気付いた。毎朝聴いた鐘の音色、大人びた同級生、憂鬱な期末試験、デートで買ったチョコレートバーの味、熱帯雨林にすむ緑の猫への憧れ、年上の女の細くて冷たい指の感触。いつか記憶からこぼれおちていくのであろう優しい日々、なんでもない"ふだん"。でも、それらを忘れていってしまうのはどこか悲しくて、切ない。とある私立女子高に通う10人の少女たちを、著者独特の瑞々しく淡々とした詩的な文体で描いた6つの物語。 (1年 加藤小春) よく書店で見るけど、新書なんて難しいし、読みにくそう。……ってゆうか交渉なんてする機会ないし。という人にこそ読んで欲しい!それでも……という人は、まずは太字の部分だけ読んでみてください。他人や自分の発言に対して、考え方や感じ方が変わるはずです。学生の時にぜひ読んでおきたかったと思わせる1冊です。 (Booksフロンテ 中條)武器としての交渉思考 滝本哲史/著 星海社 この本は、吃音の村内先生が、心に傷をもつ中学生とかかわるだけの物語ですが、ふしぎとその世界に引き込まれていきました。「たいせつなこと」を教えに突如赴任した村内先生。「ひとを、踏みにじって、くくっ、くっ、苦しめようと思ったり、くくっ、くっ、くっ、くく苦しめていることにきっ、気付かずに…くくっ、くっ、苦しくて叫んでるこっ声を、ききっ、ききっ聞こうとしないのが、いじめなんだ……」と、つっかえながらも本気でしゃべる村内先生の言葉が私たちの心に迫ってきます。<ひとりぼっちじゃないこと>「生徒のそばにいてあげること。それが、教師の使命。」いじめにより学校教育に疑問が投げかけられている今必要な一冊です。 (1年 佐藤正人)青い鳥 重松清/著 新潮文庫

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