かけはし No.318 送別特集
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この度、退官を迎えるにあたって、長年お世話になってきた名大生協について、私のピントのぼけた昔話を少しだけさせて頂きます。 名大生協を40年以上前から利用してきた私にとって、その利用密度は時とともに少しずつ低下しているため、当然ながら昔の古い記憶が強く刷り込まれています。その中で食堂にまつわる二つの小さな想い出を書いてみましょう。その一つは、私がまだ生協の組合員ではない他大学の学生であった頃、クラブの交流などで全国の大学を訪れては、各地の大学の生協食堂の味見をしてきました。その頃、医学部学生の間で大学生協食堂の勝手なランク付けが行われており、東大がメニューが豊富で第一位、京大は風変わりなメニューもあり第二位、第三位はというと諸説が乱立し合意ならずという状況でした。ところが実体験では、確かに東大は充実したメニューを揃えていましたがうま味が少なく私には一位とはとても認定できるレベルではなく、それなら京大が一位かといえばそれもちょっとね、という感覚でした。私の正直なランキング一位は、世間ではダークホースであった名大生協で、味もメニューも素晴らしく、心底惚れ込んであちこちの大学生に名大生協はすごいよと宣伝していたものです。 もう一つの想い出は、名大で勤務を始めた40年程前、東山の生協食堂には寿司屋さんというか寿司カウンターがあり、東山で何か行事があれば私は必ずそこで握り寿司を食べることを習慣とし、また楽しみにしていました。大学生協で寿司屋さんが実際に握ってくれるところはその頃でも名大以外にはあったかどうか、もしあっても数えるばかりでは無かったでしょうか。この寿司屋さんも時代の流れとともに無くなってしまい残念でたまりません。 最近の名大生協は、スタッフの皆さんの教育も行き届き、たいへん親切で心遣いのあふれるサービスをされており、昔とは格段の改善がみられます。少し残念なことは食堂のメニューが画一化され、時々イベントがあるにしても、名大だからこれがある、といったような昔の個性が全くなくなったことです。東海地区の大学の共同企画、共同仕入れで効率化することはよく分かりますが、多様性こそ大学人に求められる必須の命題であり、生協も独自性を発揮した「名大メシ」を是非とも樹立し、日本一の生協食堂と呼ばれるようがんばって下さい。ますますのご発展をお祈りしています。(おおいそ・ゆたか)老教授の名大生協昔話大磯 ユタカ医学系研究科 教員Ⅲ

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