かけはし No.318
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- 7 - 2015年2月、障がい留学生のためのサポーター研修(2日間)を実施した。このサポーター研修には、15名以上の学生サポーターが参加した。 初日の1番最初の講師は、聴覚障害の方だった。名身連聴覚言語障害者情報文化センターの所長をされている笹川氏をお招きした。 冒頭ではヘレンケラーに、どの障がいを取り除きたいと聞くと、耳が聞こえるようになりたいと語った、笹川さんの気持ちが表出された。 日本では、場の空気を読むという言葉があるが、耳が聞こえない人にとって、この日本の場の空気を読むのは、難しい。唇を読むとしても、なかなか会話の中に入るのも難しい。分からない言葉が増えると、話の内容も分からなくなり、孤独な気持ちになると語る表情から、耳が聞こえない辛さがひしひしと伝わってくる。 私たち、街で難聴者が困っていたら、「何か困っていません留学生と話そう! 異文化を語ろう!(3)May I help you? 何かお手伝いしましょうか?国際教育交流センターアドバイジング部門 ソーシャルサービス室 坂野尚美か?お手伝いすることはありませんか?」と聞いてほしい。 講義の途中に、夕食のお弁当をだそうと計画したが・・・。ムスリムの学生たちに、どのように配慮すべきか考えて、スタッフと相談していた。いっそのこと、ハラルフードのお弁当にしようということにした。ムスリム以外の学生たちも食べられるし、異なった食文化に触れ、異文化理解にもつながると考えた。ムスリムの学生たちからは、「いつも食べるものに困っているけど、今日は、ハラルフードだから安心して食べられる。先生ありがとう」と言われた。 ムスリムの学生以外からは、「ハラルフード初めて食べたけど、すごくおいしい」との声が上がった。これがダメ、あれが食べられないと思うより、食べられるものが限られている学生の視点に合わせてみたら、こんなに喜んでもられた事は、喜びになった。 約10年ぶりに2015年2月22日から、6泊7日でニューヨークとロンドンへ海外出張に出かける。 ニューヨークのホームレスから、金をくれ!とせがまれたとき、あなたの名前は何?と聞くと、私を人として認めてくれるあなたには、ひどいことは言えないと言ってくれたことを思い出す。何かお手伝いすることはないですか? とホームレスに聞くと、私に会ったら、名前を呼んで挨拶をしてほしいと言われた。 どんな人も、自分をちゃんと見てほしい。そして、助け合う心が大切だとわかる。May I help you? 何かお手伝いしましょうか? の気持ちを、持ち続けることは大切な事だと改めて痛感する。 久しぶりのNYとLondonに行き、そんな気持ちを温めてきたいと思います。

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