かけはし No.313
24/26

- 24-- II -バーに加えていただき、志を同じくする人たちと共に、平和憲章の運動に主体的に参加できたことは私にとって大きな誇りです。一緒に活動していただいた教職員、学生、生協職員の皆様に深く感謝します。 しかしながら私は生協が本当に組合員の立場になった組織であるかどうかは常に問わねばならないと考えています。平和憲章の運動を展開するおりにも、先に述べたような「官僚的対応」の臭いがすることがあります。これは学生委員会の諸君にも感じます。生協は慈善団体ではありませんが、会員の中には社会的弱者もいます。健常者、強い側、多数者の感情や理屈で対応すれば確実に「弱者切り捨て」になることを肝に銘じてほしいと思います。その最たる例は「バス停付近の歩道にある点字ブロックの上に放置されている多数の自転車」です。多くは学生諸君の自転車です。一人で主張しても事態は変わらない。目先の困難性から逃げて自分たちの都合の良いところばかりを主張し、嫌なところはあえて見ない「主体性のなさ」がなせる業ではないかと思います。 平和運動に真正面から取り組む学生が出てこないのも同じようなものではないかと感じています。一歩踏み出すのには勇気が必要です。平和憲章の運動に学生諸君が主体的に関わってくれることを願いつつ、交響曲「5月の歌」から、ブレヒトの言葉を引用し、最後の言葉といたします。科学者諸君君たちの研究は何のため?科学のただひとつの目的はひとびとの暮らしを楽にすることもしもあなたたちが欲張りで自分勝手な権力者たちの言いなりになって知識のための知識を積み重ねることに励むなら科学は歪み君たちの新しい発見は新しい苦しみをもう一つ生み出すだけだやがてきみたちはなにもかも発見するだろうだがきみたちの歩みは人類の歩みとずれていく溝はどんどん広がってついには新しい発見を喜ぶきみたちの叫びが世界中の人々の恐怖の叫びを呼びおこす科学の光を守りぬけそれを生かし悪用するな科学の光が火の玉となりみたび私たちを根こそぎ焼きつくすことのないように

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です