かけはし No.313
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- 11- 削除された天皇の「お言葉」の該当部分は以下のようなくだりだ。 「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています。また、当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います」 現状の平和と民主主義、そして憲法を「守るべき大切なもの」とした護憲発言であり、さらには憲法を作った主語を「日本」とし「知日派の米国人の協力も忘れてはならない」と加えるなど、「連合国からの押しつけ憲法論」への反論ともとれる発言だった。しかし、NHKはこの部分だけをカットし、一切報じることはなかったのだ。 「公共放送としてのNHKの見識を疑いますが、今回のNHKの報道姿勢は、安倍晋三政権が目指す憲法改憲と密接な関係があると目されています。NHKは、特定秘密保護法にしても政権寄りの報道を繰り返し、また、靖国参拝にしてもその録画映像を延々と流し、批評もしなかった。いまやNHKは安倍政権のNHKの偏向しているが、果たして、NHK会長としての人だろうか。 ちょっと次元は違う問題だが、現在のNHK放送について、少し以前から抱いている不満がある。金曜日から、日曜日にかけての夜の放送、以前は、寝る前の楽しみにしていた番組が無くなったしまった。全然ないわけでなく、とんでも無い時間に移動してしまって、なかなか聞けない。そこを埋めている番組を何とか聞こうとするのだが、丸でわけがわからない。若い人達にはいいのかも知れない。 また、これは、以前にもあった事ながら、真剣にその内容を噛み締めながら聞いていると、突然交通情報や、天気の情報が入って中断され、本来の放送はぶっ千切られたままになってしまう。テレビのように字幕が出せないから、仕方ないかも知れないが、今日聞いた雪の情報など、その前のニュースの時間にたっぷり聞かされている内容で、わざわざ番組を中断する必要は全くない。よくある交通関係の情報も、ほんの少し待てばいいことであることが多い。 私は、きちんとかなり高い受信料を払っているが、大して見ることはない。せいぜい動物の番組など興味深いし、制作には相当お金が掛かっているようには思う。さすがNHKと思うことはある。しかし、最近では民放にも幾らでもそういうものが出てきた。もう、わざわざ受信料を払う気がしなくなった。不偏不党の番組を作ると言いながら、大いに偏向している。いっそのこと、それぞれいろいろな放送主体が、その主義主張をぶつけ合って自由に放送すればいいのではないかと思うようになった。(田 2014年2月8日記)『お抱えメディア』と化す危険性さえある」 こう指摘するのは、メディア事情に詳しい評論家だ。安倍首相のお友達人事は有名だが、これがNHKにも及んでいることは周知の通り。NHKの最高意思決定機関である経営委員にしても保守色の強いお友達を次々登用し、なかでも作家の百田尚樹の起用が話題になったばかり。また今年1月に新会長に就任した籾井勝人についても、百田以上に「安倍カラーの強いお友達人事の賜物」と見られているのだ。 これでは不偏不党を掲げていたはずのNHKが、「安倍政権の意のままで、御用達メディアになる」と危惧されるのも仕方がない。そして政権に都合が悪い言論に対しては、天皇陛下の発言さえ削除する…。 安倍首相は本気で憲法改正と、その背後に控える戦時体制を望んでいるのだろう。安倍政権の独裁化と私物化は言論統制に向かっている。平和憲法と戦後民主主義最大の敵が安倍首相だということを、改めて記しておきたい(文=和田実)。 ほとんど引用ばかりであるが、私の言いたいことを全部言ってくれているので、紹介しておこうと思う。 (田 2014年2月6日記) こういう記事をインターネットで見た。見過ごせないので、NHKにもの申すついでにもう一つ言っておきたい。 昨年12月23日。この日、天皇陛下は80歳の傘寿を迎え、天皇の「お言葉」がマスコミに配布された。「お言葉」は同日各メディアによっていっせいに報じられたが、重要部分を『意図的に』カットしたメディアがあった。それが公共放送局のNHKだ。 「重要部分とは、ずばり天皇陛下が語った護憲とも取れる部分です。朝日新聞や毎日新聞はこの部分をしっかりと掲載しましたが、読売新聞はかなり意図的に端折って要約していた。問題はNHKが、この部分の一切を削除していたことです」(大手紙宮内庁記者)

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