かけはし No.311
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- 17 -魔言秋がないい」のは、商人にとって大事なことだ、と聞く。 それはともかくとして、今年の夏は、台風が過ぎ去っても一向涼しくなりもせず、台風一過の晴天もなかった。ところが、26号、この10月15日から16日に日本の南岸をぬうように進んだ、あの台風。伊豆大島に甚大な被害もたらしたあの台風、この台風は、大雨大風ののほかに、寒気も呼び込んだ。北海道では一か月も早い雪、紅葉を飛び越えて雪景色になってしまった。名古屋でも朝晩の冷え込みは、急激だった。扇風機が未だ出してあるのに、ストーブが欲しくなった。寝るにも、真冬に使う毛布を引きずり出した。 十月半ばと言えば、絶好の秋の行楽シーズンというのが、今までの記憶。それなのに、寒くなった途端、天気予報を見ても向こう一週間、日本全国殆どの所で、晴のマークは一つもない。一方富士山の初冠雪は、随分遅かったそうだ。 長期予報の難しさは分かる。それでも何とかそれを頼りにする。確か、10月は高めの気温だと言っていた。11月は普通、12月は例年より寒くなると言っていたのを覚えている。10月の初めは真夏日さえ有って、うんざりしたものであるが、今言ったように、一気の冷却、未だ、この原因の詳しい解説は、台風が、寒気を呼び込んだことしか聞いていない。 これから先は順調なのだろうか。タクシーの運転手曰く、この冬は、この夏の暑さの「倍返し」の寒さかも知れませんよ、と。 (T)競技と直結している。 我が中学生の頃には体育の時間には白い体操ズボンと白いシャツに決まっていた。まだその頃には、今のジャージという物がなかった。水泳の時も今の水泳パンツをはいているのは少なくおおかたは六尺ふんどしだった。もっとも、プールなどほとんど無く、水泳は夏休みの林間学校の時ぐらいだったけれども。 その後、ジャージのトレパントレシャツが普及して、一般の人たちが日常にも着ているのをよく見かけるようになった。最初、何の運動をしているのかなと不思議に思ったものだった。 お相撲さんの格好は何か儀式でもあれば紋付き羽織袴といういでたちだが、正式には廻し姿である。この姿でほかの何かと間違われることはない。 私が不思議に思うことがある。私は若い頃ころから相撲は好きだったが、いろいろな事情でなかなかやれなかった。年を取ってからだが、相撲を始めた。もう10年以上になる。私が相撲を取っているというと、あきれられるのはともかく、「廻しをしてか」という質問が必ずといっていいほど付いてくる。廻しをせずにどうして相撲を取るのかと、反対に聞きたくなる。相撲を取るのに、まねごとならいざしらず、廻しをする以外には、まともに出来ない。もっとも、この廻し姿と体が大きくなければいけないというような先入観が、多少、相撲競技の一般への普及を阻んでいる。大相撲も体重別にすれば、今とはまた違った発展が図れると思うのだが、知り合いの親方に言っても、柔よく剛を制す、と同様、小よく大を制すからいいのだなどと言って、丸で受け付けない。 少し前から中学の体育で、武道が必修化された。時間数は大したことはない。その危険性が指摘されたりしているが、柔道を選択するところが多い。剣道、相撲は少ないが有る。もっと一般に普及して欲しいと思う。 しかし、今や相撲は大相撲を見れば分かるように、日本の国技と言うより、世界に通用するスポーツにもなり、重量別試合も一部で導入されている。 やがて、私の受ける質問もなくなると思う。泳ぐのに水泳パンツをはくのか、などという質問がないのと同じように。どういうことにも適したユニフォームがあるのだ。 (T) 今年の天候不順については言い尽くされた感もある。私は、一言、「秋が亡くなっちゃった」と言っておきたい。 以前、大陸性気候では、殆ど夏と冬しか無くて、日本の春や秋のような気候はあってもほんの僅かだと聞いていた。今年の日本の気候、春のことはもう忘れてしまったが、秋は、明らかに無くなってしまった。「あきな

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