かけはし No.311
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- 15-大島の災害 台風26号では、伊豆大島に大変な雨が降り、大きな災害が起きた。それをめぐって、あとから色々避難情報のことなどが取りざたされている。 とにかく大変な雨だった。一日で824㎜の雨、実感が湧かないけれども、こういう事である。標準的な畳一畳に、一升瓶の水を流すとする。そうすると計算上は丁度1㎜の雨に等しくなる。そうすると、824㎜となると、畳一畳の上に824本の一升瓶の水を零したことになる。こういう雨が降るとどうなるか、一寸想像しにくい。十数年前の東海豪雨の時ですら、682㎜だった。 今度の大島の場合、火山灰地の上に木が生えている。その木諸共に流れ落ちてしまったのだ。あんな大きな木が生えているところが雨が降ったくらいで木と一緒に崩れ落ちてくるなどとは、普通ではなかなか想像しにくいだろう。 起きてしまってからは、何でも言える。土砂災害の起こったところは、熔岩層の上に、火山灰が積もって出来ていて、その火山灰地は普通の雨なら雨を良く通してしまうが、あまりの量に耐えかねて熔岩層の上を生えている木と一緒に滑り落ちてしまったのだと言う。そのように、学者や専門家達は言う。しかし、その前にそうなる危険の逼迫性について言われていたのだろうか。その危険性が前もって言われていたのなら、尋常でなかった雨なのだから、当然、大島町当局も、住民自身も避難したと思うし避難勧告も出されていたと思う。避難しなかったことや、避難勧告をしなかったことをせめることは出来まいと思われる。こういう、地形に住んでいる人達が、今後の参考にすること以外に、今回の災害を生かす方法はないと思う。 それにしても、今回のことを含めて最近の異常気象、一体何が原因なのだろうか。地球の営み自体の問題かも知れない。よく言われている地球温暖化が影響しているのかも知れない。二年前の東日本大震災の前後から、日本でも種々の天災地変が起きている。未だに、かなり大きな地震も頻繁に起きている。地震と台風とは直接は関係なかろうと思うが、不気味である。世界的に大雨と干魃が起きている。我々人間の営みによる物であるとすれば、少々の経済的利害を超えて人間が、その償いとしてそれを慎む必要がある。 現在、一向に、地球温暖化ガスの排出規制についても世界的な合意には至りそうにない。未だに四の五の言ってごねているところがあるが、先頃その専門家達ははっきり温暖化の影響を指摘し、今、それを規制しなければ地球の温暖化が加速度的に進むことを警告したばかりである。個々人で出来ることは少ない。何をおいても、政治家の自覚とリーダーシップが求められる。今、そういう動きが殆ど感じられないのは、一体何故なのだろう。報道されていないだけなら幸いである。経済のことばかり言っているときではなかろう、経済も、健康でまともな地球有ってのことである。(田 2013年10月18日記)風10号は、夏台風特有の動きをしていた。二三十年前には、こう言うのは、太平洋上をあっちへ行ったり、こっちに来たり、うろうろしていたものだ。ところが、その時のは、発生自体かなり北の海域だったこともあってか、日本に上陸してしまった。只、9月の台風と違って、高気圧のせいで東から西に進んだ。それを称して、かのアナ氏「奇妙な進路ですね」というのである。確かに、秋台風に比べればそうかも知れないが、これが夏台風のお定まりだということはご存じないのか。そういえば、この年は6月から台風に襲われ、あまつさえ、9月の台風のように本土を縦断していったのがあった。3ヶ月早い。こんなことがあるから、不勉強のアナ氏は既成の知識で、思ったとおりの事を言ったに過ぎないのだろう。 それでも公共放送を担う人としては、その影響を考えなくてはならないだろう。 こんな感想を持ったのは、2004年のことだった。2013年現在から見ると、台風の発生場所も、進路も、影響も、あらゆる事が、従来のような様子ではなくなってきていることを痛感する。気象観測は飛躍的に進歩したから、台風の動きそのものは細かに観測され、進路予想もかなり的確になってきた。気象予報士ほどでなくても、そういう話題については、アナウンサー氏も勉強して欲しいと思う。(田 2004年8月4日、2013年10月18日記)

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