かけはし No.311
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- 11-りました。 地下豪見学 11時、瑞浪市の総合公園に設置された地下豪の特別公開の案内所に到着、記帳を終えると、ヘルメットと懐中電灯を渡してくれました。毎年のことですが、市役所職員の皆さんには頭がさがります。 公開されている地下豪は落盤の危険性があるため一か所だけですが、化石博物館の横には試掘豪が常時公開されているので、そちらにも足を延ばしました。壁にはツルハシやノミの跡を見ることができます。 地下豪は外の猛暑とは別世界の、肌寒い漆黒の闇です。この日は特別公開のために明り取りとして出入口を開放し、光が差し込むのですが、直角に折れた複数の坑道は真っ暗で、懐中電灯で照らしても一部分が見えるだけです。 この地下豪は、名古屋の航空機工場をここに疎開させようとして作られたのですが、完成にはいたらず、多くの犠牲者を出しただけの悲惨な工事現場となってしまいました。 漆黒の闇の中で飢えと寒さに耐えながらの重労働がどのようなものであったかを想像すると、心が痛みます。 慰霊供養祭 午後1時から慰霊供養祭が始まりました。私が最初に参加した時は、地元の人々の手作りの慰霊供養祭といった色彩が強く、僧侶が一人で読経をあげ、中国関係者も日中友好協会の役員だけでした。しかし、名大生協が連れて行った中国人留学生のスピーチは地元の人々を大きく励ましたこともあって、年々隆盛となり、中国領事館や留学生の参加が恒例となりました。今では読経の僧侶も増えて、立派な慰霊供養祭になりました。慰霊供養祭実行委員長、瑞浪市長、市議会議長、中国領事館代表らが日中友好の誓いを述べ、参列者全員で焼香するスタイルは今回も変わりません。参列者を分け隔てなく見るこの形は民主的で、草の根平和運動の力を感じました。 今年は尖閣諸島問題もありましたが、慰霊供養祭のスピーチは、日中双方とも、両国政府がどのような関係にあっても日中不再戦の誓い対する共感と信頼は変わらないことを確認するもので、新聞記者が丁寧に取材していたのが印象的でした。 新しい動き か以前、瑞浪の中国人殉難者のことが名古屋の労働者劇団によって演劇化されましたが、この続編が計画されています。前作は地元の人々と強制労働で疲弊していく中国人の心の触れ合いを描いた心温まる物語でしたが、次作は地元の人々によって慰霊供養祭が始まるまでの経緯を感動的な物語にとのことです。 まとめ 今回は夫婦で、戦時中の強制労働や中国人殉難者について考える有意義な一日となりました。学生諸君の参加があればなお有意義な慰霊供養祭となったと思います。真っ暗闇の地下壕内にて地下壕入り口にて

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