かけはし No.310
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- 6 - 名大生協では、新入生を迎える時期に多くの新入生に名古屋大学平和憲章を読んでいただき、平和についての少しでも自分の頭で考えてもらおうと、平和憲章エッセイ募集の取り組みを行っています。4月1日から6月末日までの期間で、入選者には東海地域センター主催の「オキナワの旅」参加費全額援助を副賞とし、佳作には5千円分の図書カードと豪華賞品がもらえる企画として開催しました。審査委員の総評 今年は全学教育棟を始め名大祭直後の掲示で宣伝も例年になく準備ができていたにもかかわらず、昨年(5作品)に引き続き応募の少ない年となりました。平和への思いを若い世代に受け継ぐことの難しさを感じざるを得ません。例年ですと応募要項にテーマは自由ですが「名古屋大学平和憲章」をよく読んで書いてくださいとしていますので平和憲章の一部分が引用されてといったエッセイがあったりもするのですが、今年の応募作品は、平和憲章をよく読んだかが伝わらないものばかりでした。切り口が平和教育だったり、テロだったり、平和をいかに保つかといったもので、実体験や戦争体験を聞いてといった体験から入ったものがなくインパクトに欠けた感がありました。その中で落合さんの作品は科学者の責任を述べ平和憲章にも言及するなど審査委員から広く票が集まりました。特に優れているという評価に値する作品というわけではないが、今後の勉学と平和への活動への期待を含め入選とし、オキナワの旅にて沖縄戦の惨劇、沖縄における現在の米軍基地問題などを学んで来ていただくことにしました。審査結果入選(1名)副賞「オキナワの旅」旅費全額援助落合裕貴(理学部1年)「科学は平和をもたらすことが出来るのか」」①佳作(3名)副賞図書券5000円分木寺真心(教育学部1年)名古屋大学平和憲章エッセイ 審査結果と表彰式「平和のために」②崔 敏(工学部1年)「無自覚な悪意が生み出す世界のゆがみ」③木村寿伸(教育学部1年)「教育こそが、平和を導く」④ 2013年7月16日 審査委員長 戸田山和久審査員コメント○②と④はあまり内容がないなあ、紋切り型だし 、①と③はそれぞれテロ、科学技術という切り口に考えた形跡が見られました。 (戸田山)○評価5点は有りません。すべて3点程度と思いますがあえて挙げれば①の「平和憲章」を明確に入れてある作品を4点とします。自分の見聞きした事実に基づいた作品だと感動できるかと思いますが、そうしたインパクトを感じないのでこのような評価になりました。 (星野) 箕浦○昨年に続き応募数は少なかった。名古屋大学平和憲章をよく読んで書かれているという感じはあまり受けなかった。切り口はいろいろであるが少し視野が狭い感じがした。また、問題の解明、課題の明確化、行動提起といったつながりがなく、どの作品も自分がこれから何をしていこうというものがみられなかった。 (箕浦)○②の作品は「散文」の美しさや読みやすさにも配慮した優れたエッセイですが、何年生でしょうか? ②は他の作品と比べて明らかにレベルが高いので、高学年あるいは院生の作品のように思います。①の作品は、科学者の「科学技術」を取り扱う者の自覚形成を問題にしたもので、平和憲章を科学者の社会的規範として生かしていこうという趣旨で、理系人間としてはとても嬉しい一文です。 (河合)○③の作品は前半のテロの話しと後半の資源の問題とのつながりがもう少しあれば。②は文章がうまい。①は内容はなるほどなぁ。 (宮島)表彰式 8月23日(金)に理事会主催で表彰式を執り行いました。45分間のミニ講演会「名大平和憲章制定とその後」を行い、表彰式のあと、交流パーティーを行いました。 ある受賞者が「これからは戦争の悲惨さを訴えるだけでなく、平和のすばらしさも伝えていくようにすると良いのでは。」と受賞のコメントで述べていたのが印象に残っています。 (村瀬)

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