かけはし No.310
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- 10-ニュースに一喝!ニュースに一喝! 7月21日行われた参議院選挙で、自民党・公明党が圧勝し、今まで6年間続いた衆参のネジレ現象が解消した。与党は、ネジレ解消を大きな目標にしてきたので、してやったりの表情。民主党の壊滅的敗北は昨年の衆議院選挙から引き続いている。いわゆる二大政党制もすっかり影を潜めてしまった。与党内は、あることに関して、賛成から反対まで幅広い意見の持ち主が居るのに、野党はと言えば、一寸の違いで袂を分かって別の党を作る。これでは、与党に対して勝ち目はない。私自身の思いでは、何よりも大事な憲法に対する考え方が、基本的な分かれ目だと思うけれども、今の与野党は見ていて誠に複雑である。今回は、原発に対する方針も大きな争点だったはずだが、これも曖昧。この点だけから言えば、国民世論の過半数が反対なのだが、自民党はそうではない。自民党は、原発政策も是にされた参議院ネジレ解消と強弁しかねない。目先の利益から、原発再稼働と言っている人達もかなり居るが、事故に対する安全対策がいかに完璧でも、使用済み核燃料の安全な始末が出来る技術の確立までは(絶対に出来ないとは言わないが、簡単な事ではなかろう)、おいそれと再稼働に賛成はしかねる。余り、この点が論議の対象になっていないのが気懸かりだ。 TPPの問題は、第一にはっきりした賛否が各政党で余り明確でなかった。個人個人で違っている。明日からようやく論議に加われるということであるが、個別に利害が絡み合い、今年中に妥結を目指すと言うが、日本は遅れた分を回復できるのだろうか。恐らく厖大な資料があろうが、交渉に加わらない内は、それを知ることも出来なかったのだから、衝に当たる人達の苦労が思いやられる。 外交政策、このところ安部内閣の歴史認識のことが盛んに云々されるが、問題を整理して示して欲しい。それも有耶無耶である。 全て、経済対策、景気対策ばかりが取り上げられ、昨年来の株高、円安で浮かれて居るみたいだ。乗ったタクシーの運転手、持っている株が高くなってウハウハだった。未だ、給料には反映していないと言うし、生活物資の高騰が起こりかけている。お負けに、年金は秋から引き下げられる。社会保障や、財政再建のことは等閑に出来ないはずだが、どこかにかすんでしまったように見える。 ネジレ解消で、法案がスムーズに成立するから、これからだというかも知れないが、法案の中身が示されないのは困る。ネジレが無くなり、衆議院で通ったものが、するすると通るようになれば又、参議院不要論が浮かび上がってこよう。 昔、良識の府と言われ、その象徴的存在だった「緑風会」を真似た「みどりの風」は消滅してしまった。「みどりの風」が良識の府の象徴だったかどうかは分からないが、とにかく、完全な衆議院のコピーに成ってしまったように思う。参議院をどうするかが最大の問題として浮かび上がってきたように思う。ネジレが無くなり、参議院に存在意義そのものが問われる事になったように思う。(田 2013年7月22日)良いインフレ ? 6月の全国消費者物価指数が前年同月0・4%上昇し、一年二ヶ月ぶりにプラスになったと報道された。ただ、この物価上昇は円安や原油価格高騰といったコスト上昇が要因である。そして、2年後に前年比2%上昇の目標達成は依然難しいとされていた。 この報道を見ると如何にも物価上昇が望まれるものであるように見える。その実、上がったのは、ガソリン代や食費である。僅かにプラス面として上げられているのは、寿司など高級なものが売れている、ファストフードなどでは、値上げが進み、高額商品も売れているという。 つまり、賃金が上昇して、その結果購買力が増すというというようなことは起こっていない。この成長戦略によって企業の競

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