かけはし No.304
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- 12-ニュースに一喝!ニュースに一喝! 今年は、殊の外この島々に関しての領有権の問題が、騒がしい。先刻、皆さんも御承知の通りである。 竹島問題は韓国との間に横たわる棘だ。曾て、韓国の朴正煕大統領は日韓基本条約を結ぶに際して、この島の帰属が妨げになってはと、その爆破を考えたという。その島に今の李明博大統領が上陸して、韓国の物だと息巻いた。それで韓国の世論は大統領を支持したという。日本政府は冷静に話しあおうと野田首相が親書を送ったところ、それを突き返してきた。その経過が子供じみている。日本の外務省は返しに来た韓国大使館の係員を立ち入らせなかった。それで、韓国は郵便で返した。韓国はこの領有権を問題にすること自体を嫌っているということだ。こう言うとき、決まって言われるのは「歴史的にも国際法的にも自国の領土だ」という言い方である。そう言われるとうっか 9月8日に閉会した今年度の通常国会は、会期は長かったけれども、一体何だったのか。ただ、消費税増税が決まったことだけは確かであるが、色々の問題を積み残した。政党というもの、と言うより、政治家のエゴに呆れるばかりだった。口を開けば国民の為と言っているが、その国民とは誰のことなのか。 この国会の白眉は、なんと言っても、社会保障と税の一体改革と称している法案にまつわることだ。民主党では最後まで反対していた小沢さんのグループが50人近くが離党して、国民の生活が第一という長たらしい名前の党を作った。小沢さんは消費税増税はマニフェスト違反だと言い、未だ、先にやるべき事があると言う。では、それを協力してやり遂げたらどうなのだろうか。その後も五月雨式に離党する議員が相次いでいる。そんな中で今、民主党の代表選が始まったが、そういう党運営を問題にして、野田さんに反対して3人が立候補した。どういう結末に成るやら。誰が成っても、纏まってやって欲しいと希望を述べる気にも素直には成れない。 民主党を観察していると、束ねる人のせいなのかも知れないが、きちんとした政党の体は成していないように思える。大事な法案に対しても国会で反対するし、国民にとって重要な原発問題に関しても意見は一致していない。TPP交渉にも賛否両論がある。何も上からの意見で統一するのがいい訳ではない。議論して纏めればいいのだが、それが纏まらない。以前、自民党は派閥連合だと言われたことがあり、今もそうなのだろうが、このように、最後まで反対を通すようなことはなかった。そういう纏まらない政党に乗っかった政府が外国から侮られるのは、国民としては非常に情けない。 消費税増税に関しては、いわゆる三党合意なるもの、国会の議論を差し措いて、民主・自民・公明の三党だけで話を進めている。何のための国会なのだろう。それにもまして、この増税に反対して参議院に出された問責決議案に、増税を纏めた当事者である自民党が賛成した。自らの行為を否定したのである。自民党内からも、支離滅裂だという議論が後から出てきている。国民も騙されないだろう。よくよく覚えておかなければ成るまい。自民党でも総裁選挙。谷垣総裁は石原幹事長に詰め腹を切らされたような形で立候補を断念。安部元首相が、やり残したことがあると言って立候補の意欲を示している。しかし、又、困難に出会ったら「やーめた」となっては困る。この総裁選にも、期待は感じられない。 そういう中、大阪維新の会代表の橋下徹氏が日本維新の会の代表となり、国会議員を引き抜いている。選挙が気になる議員はその風に靡いているが、一体どうなるだろう。政治は、ばくちとは違うから、それに乗って一か八かやってみようというわけにも行かないのだが、既成政党が余りにも国民を裏切り続けすぎたつけが回ってくるのだろうか。 正直なところ、今の私にはどうしたらいいのか、十分判断する正確な情報がない。この決戦が始まる前に、十分な材料をマスコミは提供して欲しいものである。マスコミはそのくらいのことは国民に対してする責任があるように思う。(田 2012年9月11日記)支離滅裂と寄せ木細工竹島・尖閣・北方領土

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