かけはし No.303
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- 9 -やきもきしても 今の世の中、日本も世界も、学校も、町も、どこもかも問題に充ち満ちている。私ごときがやきもきしても何にも成らないけれども、それでもやきもきすることが多い。本当は、何とも成らないのだから、なるようになればいいと思えば、気が楽だと悟ったような気になって、いっ時誠に気楽に過ごしたこともあった。やきもきしようとしまいと世の中何も変わらない。でも、・・・。 もう選挙結果は分かったが、エジプトの大統領選挙、ジャーナリズムは不毛の選択だといい、アラブの春を現出した学生たちは諦めきれない様子だ。軍が、先頃選挙で選ばれたばかりの議会を解散し、議事堂を封鎖してしまったという。ミャンマーでやっと、軍が丸くなってきたというのに、エジプトでは尖ってきた。 同じ日、ギリシャで再選挙、ユーロ圏諸国の支援を受けるために緊縮政策を推進してきた党が過半数に達せず、連立協議もまとまらなかった結果だ。緊縮政策を採ってユーロ圏に留まることを選択するのか、緊縮政策に反対するのか、全世界が注目していたのだそうだ。ギリシャ人は、嫌々ながら緊縮策を受け入れたが、心中は複雑だったろう。まだまだ油断できないなどと解説者は言うが、成るようになるのだ。 北方領土のこと。プーチン大統領は、交渉再開はじめ、という合図を出しているのだそうだ。野田総理大臣は柔道着を贈ったそうだ。ロシアという国は分からないことが多く、理不尽なことをする。ロシア人はとても陽気で面白い人が多いのに、政治の世界はやっぱり違う。プーチン大統領にすれば日本の誰を相手にしたらいいのか、とまどっているのかも知れない。 まだまだ幾らでもあるが、今回はこれでやめ。(田 2012年6月19日記) この頃、格安のバスツアーが競争して次々に出てくる。規制緩和で、こういう仕事が、認可制ではなく、単に届け出制で出来るようになってから、業者は以前の何倍にも成っている。 今年の連休の初め、四月三十日朝、関越道で防音壁に観光バスが衝突して、7人もの死者と、39名の重軽傷者(内3名は重態)が出た事故は誠に怖ろしい事故だった。運転手は、居眠りをしていたという。 この事故にはいくつもの見過ごせない違反や過失がある。この旅行会社「陸援隊」は事故を起こした運転手の健康管理をきちんとしていなかった。しかも、実質的にこの運転手は日雇いの状態だったという。更に、この運転手自身、バスを何台か保有しており、所謂無許可の営業(白バス)をしていた。会社は、違法な名義貸しをしていたという。多くの人命を預かる運転手のいい加減な管理は言語道断だが、その元はと言えば、規制緩和と称して、こんなバス会社、旅行会社を野放しにしていた、国交省に大いに責任がある。係員の人数が少なく、とても監査などしきれなかったという。結果的に死人が出ないとその気にならない。余りに強い規制は問題だが、今回のこの問題に限らず、多くの規制緩和は監督官庁の責任逃れのようなものである。 五月十三日にあった、福山でのホテル火災も沢山の死人が出た。誠に気の毒千万、安いばかりが能ではない。命あっての物種。まさか、死ぬなどとは思わないから泊まるのだが、ホテルも人命に関わることなのだから、特に火災などには十分気をつけなければならないのは当たり前のことだ。このホテルがどうかは知らないが、迷路のような所を通って部屋に行くところが、至る所の旅館、ホテルにある。時に恐怖を感じることがある。用心のためもあろうが、概して出入り口は少ない。 この火災でも7人の死者が出ている。数々の違反だらけのホテルだったようだ。消防署の勧告にも知らん振り、それでもお咎め無しというのはおかしい。7人の死亡者の内、4人が中国人研修生だったということも、インターネットでいろいろ取りざたされている。偶々、バス事故の運転手が中国人だった事とも関連させて、死人にむち打つような仕打ちも見られる。品性下劣な人がこんなに多いのかと、寒い気分になる。時が経つと直ぐ忘れられてしまうのだろうが、こんな事はいい加減にしてはいけない。(田 2012年5月31日記)死人が出ないと

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