かけはし No.303
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- 20-名古屋大学の思い出加藤 茂子附属病院 看護師 看護師には三交代は避けられない職業。 看護師の資格は持っていても、子供が小さい時は看護師として働きたくとも、夜勤が出来ないと言えば、就職できずにいました。いつか働けるだろうと思いながら、専業主婦、子育てで看護師から離れて10年目頃、パートで名大病院分院に就職しました。 看護師不足から度々正職員にならないかと薦められても、主人が出張とかで夜勤は子供たちだけになるからと出来ないと思っていました。ところが娘が六年生の時、「正職員になると夜勤をしなければいけないので無理だね。」と何の気なしに話したら、「正職員で看護師やってもいいよ。父さんもいない時、弟の面倒みるよ。」と返ってきた言葉でびっくり。数日間悩みました。娘から背中を押されたような思いで名大(平成元年は名大病院分院)で正職員となりました。 すぐと三交代の勤務 初めての子供たちだけになった夜勤。準夜勤で夜中に帰ってくれば、6歳下の弟と一緒に布団で寝ている姿に、面倒見ていてくれていたと感謝し、深夜勤で朝居ない時などは、「学校に遅れないように起きる為に家中の時計4個鳴らして起きた。」とも聞き、夜間台風が近づき、雨水が家の中まで入って来て、娘ではどうしたらよいかわからず、涙ながらに電話かかってきて、対処法を電話で言い、心細い思いをさせたこともありました。熱があってもそばにいてやれず、一人寝かせて夜勤に出勤。これでいいのかしらと自問しながら、子供たちに大分負担をかけていると思い、辞めようかと何度も思いました。徐々に、両親が夜間居ないことになれつつ成長してきました。同時につくづく看護師イコール夜勤、切り離せられない職業で、そばにホローしてもらえる家族もいないので、それぞれに苦労しているなあと感じながら働いてきました。病院も就職した頃より、大分働きやすい看護師の勤務体制、環境に改善されて来ていると思われます。 当たり前のことですが、名大で数々のことを知り、技術を学び、さまざまな職種の人達と接し、成長させてもらい、又、同僚であったり、友人であったり、つらいこと、嫌なこと、話せばきいてくれ、励まされ、アドバイスされ、支えられ、色々なこと、色々な人に、名大で過ごした23年間すべて自分への栄養剤とし、ただただ感謝のみです。 昨年は教員の定年延長により退職者のでない年で、定年退職者の思い出を企画しませんでした。今年は2月に入って150名を超える方々にお願いしましたが、寄せられたのは加藤様一人だけでした。名古屋大学での思い出を残そうという方が激減していることが残念です。その中でもお寄せいただいた加藤様には感謝いたします。どうもありがとうございます。長い間、名古屋大学でのお勤めご苦労様でした。 かけはし編集部

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