かけはし No.302
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- 4 - 2012年2月5日は午後1時30分より、ES総合館会議室にて、名古屋大学平和憲章制定25周年記念講演会を執り行いました。この講演会は平和憲章制定25周年を迎えて、運動の方向性を考えようと平和憲章委員会が企画・実施したものです。 制定当時活躍された方々にも広く参加を呼びかけ、今まさに平和運動の最前線で活躍されている方々にも参加いただき、次代を担う学生の皆さんも含めて36名の参加者を得ることができました。まずはこの講演会のためにご協力いただきました皆様にお礼申し上げます。 第一部は、当時各階層の代表として活躍された方々から、関西学院大学教授の冨田さん(当時院生協議会議長)、江南短期大学事務局長の松川さん(当時組合書記長)、名大生協副理事長の星野さん(当時職員組合役員)、団体職員の大野さん(当時学生自治会)をパネラーとしてお迎えし、順次当時のエピソードを語ってもらうパネルディスカッションです。 この中では当時の運動の中心にいた皆さんも構成員の過半数の賛同署名という途方もない大きな目標に戸惑ったことや、あらゆる科学技術が戦争に利用される可能性のあることを自覚したこと、地域貢献・社会貢献を積極的に考える文言を平和憲章に盛り込んで全学的な大運動にできたことなどが語られました。 この中では、研究内容が軍事技術と切り離せないために、憲章の趣旨に賛同しつつも自分がここに署名することで憲章を汚すのではないかとして署名しなかった研究者がいたことや、自分の生き方として署名しその後も平和に貢献するという生き方を貫いてきたというパネラーの誇り高い志に改めて感動し、おおいに共感しました。 第二部では、大学自治の基礎となる各階層の自治組織が徐々に弱体化していく中で平和憲章をどのように継承し発展させられるかを考える討論会です。 最初に、平和憲章委員会から北欧の大学で学生自治が法律的に確立されている事例を報告し、平和学講座開講を目指した取り組みを平和憲章運動の大きな柱にしたいという提案をしました。 討論では佐々木先生(当時組合委員長)から第一部の補足があり、今では誰でも利用できる地図も軍事目的のために作成されたもので記号にそうした意図が読み取れることや軍事機密ということで戦時中は名古屋市のまともな地図がなかったことが紹介されました。そして、名古屋大学のキャンパスの一部になっている豊川海軍工廠跡地をどのようにするかは名古屋大学の大きな課題であると問題提起されました。 学生参加者からは自治の基本単位となる場所と機会が大きく減っていることや平和という言葉に対する警戒感があることが率直に述べられました。 平和憲章は平和学講座開講を一つの目標に掲げていることも名古屋大学平和憲章制定25周年記念講演会「名古屋大学学」という提案も全学技術センター 河合利秀 当時組合書記長の松川さん当時院生協議会の冨田さん当時組合役員の星野さん当時学生自治会の大野さん

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