かけはし No.302
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- 15 -魔言腰痛様へばならない。そして、切っただけでは、色んな所に引っかかる。顔をひっかくかも知れない。だから、丁寧に切った跡をヤスリで擦っておかねばならない。つまり、「爪を磨いて」おかねばならない。「爪を磨く」は普通決まり文句としては、虎とか、ライオン、ヒョウ、或いは猫などが、獲物を捕るための用意として、武器の「爪」をとぎすませておくことを言う。全く同じ言葉の排列であるが、意味するところは相当違う。 ダルビッシュが大リーグレンジャーズと入団交渉をし、それが整い、入団会見をした。その時だったかどうか忘れたが、このストーブリーグ中、何度となく新しい球団のユニフォームに「袖を通し」てみせた、というような表現が見られた。一寸これを考えてみて欲しい。変ではないか。確かに「袖」に腕を通すけれども、「袖」をどこかに通すのではない。決して、この表現は特殊ではない。一度も着てないシャツや洋服を、未だ「袖も通し」てないという。「袖に腕を通す」の簡略化表現かも知れないが、そうとばかり決めつけることも、簡単にはできない。 前から変だと思っている表現に、「口が裂けても言えない」というのがある。口が裂ければ物も言えないだろうなどという屁理屈を言おうとしているのではない。「口を裂かれても…」と言えば理屈は通る。しかしそうは言わない。 今、咄嗟には思いつかないけ 旅先のホテルでぎっくり腰になり、起き上がれなくなって救急車で病院へ、そして、痛み止めのせいでフラフラになりながらやっと帰ったという話が、中日新聞の「世談」というコラムに「ご同輩よ」という題で載っていた(2012年4月8日朝刊)。同情を措く能わず、こんな手紙、出していいかなぁと思いながら書いて出した。 お気の毒様。大変なこと、よく分かります。私は持病とは思ってませんが、時々ぎっくり腰。同僚は、同情どころか、又やるよ、などと言い、むっとしたりしています。思いやりがない困った人だなと思っています。腰痛の多さ、原因不明ということもよく聞きます。 ここからが、ご忠告というか、私の治療法です。ちょっと聞いては貰えまいとは思いますが、記事を読んでしまって同情心が沸々と湧いてきてしまいましたので、申し上げます。繰り返して申しますが、多分聞いては貰えまいと思います。但し、私自身はこれで克服しています。最近のぎっくり腰は2月15日朝、16日は休みでしたが、17日には自転車で通勤しました。19日には好きな相撲の稽古もしました。不思議なくらい早く治りました。 私の治療法は、常に逆療法です。痛みに抗して動き、もっと痛めるのです。ある時、直ぐマッサージをして貰いましたら、治療しながら、直ぐ整形外科に行けと強く勧められました。仕方なく整形外科を受診しましたが、何の役にも立ちませんでした。二回ばかり行きましたが、どうにもなりません。結局自分の今まで通りのやり方で直しました。 平生は、腰が痛くても、自転車で通勤していますが、乗り始めこそ辛い思いはありますが、時間が経つとともに何ともなくなり、勤め先に付く頃には、ほぼ何ともなくなっております。やっぱり、無理しても動かさなくてはと思います。自転車は前屈みですので、腰が痛くても割合平気です。 これだけでは余り参考には成りませんが、簡単に言えば、痛くても無理して動かす以外無いと思います。本当に激痛が走り、大変ですが。簡単にお進めできることではありませんが、私自身はこうしています。参考までに申し上げます。是非お試しあれと言いたいところですが、良かったらやってみて下さいとだけ申し上げます。 勿論、日頃の運動ということは絶対必要でしょうけれども。(T 4月13日)れども、気をつけていると、変だなという表現には幾らでも出会う。「風呂を焚く」に始まり、「ご飯を炊く」「湯を沸かす」「茶を点てる」というような表現については、中国の詩「林間酒を温めて紅葉を焚く」など不合理な表現などと共に、既に色々論じられている。 (T 2月12日)

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