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名古屋大学読書マラソンコメント大賞2018コメント大賞 受賞コメント一覧

優秀賞

鹿の王(上・下)

農学部1年 ウミイグアナさん
鹿の王(上・下) (上橋菜穂子)
角川書店

◎一番心に残ったことば
私たちの身体は、1つの国みたいなものなんだ

死とは何なのか、死ぬことは終わりなのか。ふとしたときに胸の内にわきあがる問いに1つの答えをくれたのがこの本です。国が滅んでも民は残る。生き物は死んでも次の命の糧となる。生あるものは死に生かされ、死して他を生かす。だから、生と死をひっくるめた命は寂しくもまぶしく輝く、私はこの本を読んでそう感じました。しかし、この本には様々な要素が煮つめられているので、読む人によって異なる問いと答えを抱くと思います。あなたはこの本に何を見いだしますか?

時をかけるゆとり

文学部2年 えみりーさん
時をかけるゆとり (朝井リョウ)
文春文庫

◎一番心に残ったことば
私ほど敏感に便意に司られる人はなかなかいないのではないだろうか

この本を電車の中で読んだことを後悔しました。ニヤニヤが止まらなくなります。じゃあどこで読めばいいんだろう・・・トイレ?そうそう、朝井リョウさんはとってもお腹が緩いんですよ。そんな直木賞作家のトイレ事情から始まるこのエッセイ。とにかくおもしろいので噴き出しても大丈夫なように是非トイレで読んでください。私はやらないけど。

名古屋大学附属図書館長賞

謎の漢字

文学部3年 まんじゅうこわいさん
謎の漢字(笹原宏之)
中央公論新社

◎一番心に残ったことば
漢字に「絶対」などなかったのである。

救われた気がした。まさか漢字に救われるとは思ってもみなかった。小さい頃から規則は守り、規範に従うよう教育されてきた。漢字もその一つである。少しでも余分に点を加えたり、長短が間違っていたりすると厳しく訂正されたものだ。でも本書を通じてわかることは、つねに揺れ動く漢字の規範の実体だ。規範からはみ出してもしかたない。規範は絶対ではないから。肩の力がスッとぬけた。

南部書籍賞

検察側の罪人(上・下)

医学部1年 いえろうさん
検察側の罪人(上・下)(雫井脩介)
文藝春秋

◎一番心に残った人物
自分と上司のどちらを信じるか迷う沖野

法の世界は私が目指す医療の世界とは正反対の場所にある、と思っていた。他人事で読み進めるうちに、自分を見つめられているか考えると震えてきた。ドラマのような衝撃的なシーンに自分がいることを何度も想像したがそんな恐ろしいことなど起こってほしくない。ほらまた逃げた。逃げたら本の中の罪人と同じになってしまう。どうやら法の世界は私が目指す医療の世界の隣にあるらしい。

Books フロンテ賞

数学者の言葉では

理学部1年 林檎を剥いて歩こうさん
数学者の言葉では(藤原正彦)
新潮社

◎一番心に残ったことば
役に立たないは価値がないを必ずしも意味しない

研究に取り組み始めた学生は常に自分の能力や、その研究の価値、自分の将来についての不安に苛まれている。そんな研究生活を送っている人がこのエッセイを手に取ったら、その内容に共感する部分や「自分だけではなかった」と感じる部分があると思う。これから研究者を志す人におすすめの本であるが、私は特に「今の研究に悩んでいる人」に一息ついて是非とも読んでほしいと考える。

奨励賞

桜のような僕の恋人

法学部1年 エゴさん
桜のような僕の恋人(宇山佳佑)
集英社

◎一番心に残ったその他
主人公が死後に届けた手紙

出会いがあれば別れもある、それが恋愛というものだけど、この別れほど胸に響くものはないと思う。相手を想いつつも自分の死で傷つけないために別れを決意する主人公の一つの愛のカタチに感動よりもむしろここまで人を愛せるものなのかと驚いた。別離が運命づけられた恋に私ならどうするだろうとつい考えさせられてしまう。あなたはいずれ散ってしまう彼女に何を想うのだろか。別れすらこんなに美しく描く本を私は知らない。

青くて痛くて脆い

経済学部3年 まっちゃさん
青くて痛くて脆い(住野よる)
KADOKAWA

◎一番心に残ったことば
人は人を、間に合わせに使う。

なりたい理想の自分とは?未来には無限の可能性があり、そこにいろんな理想を描く。その理想に向かって、ただひたすらに、まっすぐ、まっすぐ、突き進む。そんな団体があればいいな、という理想のもと、秋好と僕でつくったのが「モアイ」。
私たちはまだ青い。未熟な存在だ。だからこそ、今、傷つけられて、傷ついて、傷つけて。その傷口から、甘く、熟すことができるのではないだろうか。この一冊を読み終えた時、私のこころは心地よく痛かった。

あなたのための物語

工学部1年 結城じゃくさん
あなたのための物語(長谷敏司)
早川書房

◎一番心に残ったその他
一貫したテーマ

僕は、物語を読んで泣いた経験はあまりない。この本は、その少ない中で一番の衝撃だった。悲しみだけでない感情が目からこぼれたのだ。死と物語を巡る余命わずかの女性研究者と、死期を知らされた男性人工知性体の物語はあまりにも鮮烈で否応なく突き刺さる。
この本は、かけがえのない傷跡とともに、「『あなた』のための物語」になる。傷跡さえも愛しい。

ナイスランナー賞

消滅世界

文学部3年 T.Yさん
消滅世界(村田沙耶香)
河出文庫

◎一番心に残ったことば
私たちは進化の瞬間なの。いつまでも途中なのよ。

夫婦の性行為が「近親相姦」とタブー視される。ある都市に住む人々は男女問わず母親になり、「子供ちゃん」を育てる・・・。あなたはこの世界、どう思いますか?私は「家族」の定義って何だろう、と問い直された気がしました。それに答えることができなければ、この物語の“未来”は、ありえてしまう気がして恐ろしくなりました。

現代語訳 論語と算盤

工学部2年 wkwkさん
現代語訳 論語と算盤(渋沢栄一著、守屋淳訳)
筑摩書房

◎一番心に残ったことば
『論語』とソロバンは、はなはだ遠くて近いもの。

常に手元に置いておきたい、「生き方」の道標となる本。誠実に努力し、天命を待ち、及ばなければ、また努力。常に勉強をし自らを磨き続ければ、必ず価値ある人生を送れる。銀行や病院など、幅広に産業を興し、「国の富」のために生きた渋沢栄一の言葉には、1つ1つ重みを感じられた。「近代日本の父」の頭の中を、この本で覗いてみよう。

戦争にチャンスを与えよ

法学部3年 霞ヶ関さん
戦争にチャンスを与えよ (エドワード・ルトワック)
文春新書

◎一番心に残ったことば
戦争の唯一有益な機能は「平和をもたらすこと」

一般に絶対悪とされる“戦争”が、逆説的に平和を導く。一見して眉をひそめるようなこの言説が冷静かつ論理的に説明されていくにつれ、我々が知らないうちに抱いている暗黙の前提に気づかされる。著者の主張それ自体はともかくとして、常識という名の偏見を取り払って考えることの重要性がわかる一冊。

七緒のために

教育学部2年 こまさん
七緒のために(島本理生)
講談社

◎一番心に残ったことば
ずっと自分だけのそばにいて

中学生・高校生のころって「生きづらさ」を感じる人が多いのではないでしょうか。私もそうでした。そして、この本に出てくる七緒も雪子も。彼女たちが見ている世界は、「大人」から見れば小さいのかもしれません。しかし、子どもでも大人でもない彼女たちにとっては、あまりにも大きく、複雑で、今にも音を立てて崩れ落ちそうなのです。そんな中で生きねばならないのです。前に進むために。「大人」になるために。

沈黙の春

文学部1年 シエルさん
沈黙の春(レイチェル・カーソン 青樹簗一訳)
新潮文庫

◎一番心に残った場面
空中散布された殺虫剤のせいで死んだ地リスの死体の描写

1950-60年代アメリカ。見境のない農薬・殺虫剤使用の結果広がる自然破壊、姿を消す野生生物たち……。あまりにも酷くて、悲しく、恐ろしい。規制の進んだ現代でも、人間の健康被害や環境汚染など、化学物質問題はやはり深刻だ。このことを考えるためにまず、この書に描かれた化学薬品漬けの時代、一度その惨状を見よ。

宇宙に命はあるのか人類が旅した一千億分の一

工学部2年 ジブリはやおさん
宇宙に命はあるのか人類が旅した一千億分の一(小野雅裕)
SBクリエイティブ

◎一番心に残ったことば
想像してみよう

私たちの頭上にいつも広大に広がる宇宙」。人類ははるか昔より宇宙に魅せられ、その夢を見てきた。この小さな淡い青色の点である地球に住む私たちは宇宙でたった一人ぼっちなのだろうか。SFの父は「人が想像できることはすべて実現できる」という。ならば、みんなで想像しよう。まだ知らぬ世界を、命を。

悲しみよこんにちは

文学部2年 まーしーさん
悲しみよこんにちは(フランソワーズ・サガン)
新潮文庫

◎一番心に残ったことば
なにかが胸にこみあげてきて、私はそれをその名のままに、目を閉じて迎え入れる。悲しみよ、こんにちは。

フランスの文学作品で、もうすぐ18歳となる主人公セシルの感受性豊かで繊細な感情が伝わってきます。受け入れてもらいたい、認められたい、でも反発したい、自由になりたい…大人になりきれず、しかしもう子どもではないという思春期に得る感情が思い起こされます。ラストを読み終えたときに心に残る一杯の「悲しみ」をぜひ感じてもらいたい作品です。

羊と鋼の森

文学部4年 ホワイトチョコさん
羊と鋼の森(宮下奈都)
文藝春秋

◎一番心に残ったことば
努力していると思ってする努力は、元を取ろうとするから小さく収まってしまう

何かに取り組んでいるとき、自分の歩みの遅さに気づき、あきらめたくなることがある。人と比べてしまい、自分を情けなく思うことがある。「羊と鋼の森」に魅せられ、葛藤しながらも、少しずつ前に進んでいく主人公に、そんな思いを優しく掬い取ってもらえ、前に進む希望がもらえる一冊。

世界地図の下書き

農学部3年 柚季さん
世界地図の下書き(朝井リョウ)
集英社文庫

◎一番心に残った人物
それぞれの世界へ、踏み出していく登場人物たち

私たちの人生に下書きは存在するのだろうか。この大学に入ってこの職業に就いて…。誰しも1度は人生の下書きを描いたことがあるだろう。でも人生は思い通りにいかないことの方が多い。それを知りながらも、私たちは人生の下書きを描かずにはいられない。それは人の弱さだろうか。今までそう思っていたが、私の考えはこの物語を読んで覆された。むしろそれは人の強さではないだろうか。現実は厳しい。だからこそ私たちは下書きを描くことで未来という新しい世界に希望を託そうとする。それは生きる強さだ。自分だけの未来を、自分だけの色で描くことこそが人生の醍醐味なのかもしれない。

社会人大学人見知り学部 卒業見込み

情報学研究科博士3年 たじすけさん
社会人大学人見知り学部 卒業見込(若林正恭)
KADOKAWA

◎一番心に残ったことば
ぼくは自分を変えるなんてめんどくさいこと、だいぶ前に投げ出しちゃいました。

内向的で、自信がなくて、考えすぎで、理想と現実のギャップに苦しんでいる“まさに私?”のような人におすすめしたいエッセイです。無理に自分を変えようとするよりも、自分の性質(ネガティブモンスター)とうまく付き合っていこう!ある意味妥協とも言えるけれど、大人になるってそういうことなのかなと考えさせられました。

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