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韓国・朝鮮語を学ぶために
飯田 秀敏(国際言語文化研究科)

準備編 辞書編 学習編 異文化理解編

準備編
韓国・朝鮮語に多少なりとも興味を持っている方には、本格的な学習をはじめる前にぜひ次の渡辺吉鎔(キリョン)氏の三部作を一読されることをお勧めします。

  1. 鈴木孝夫・渡辺吉鎔著『朝鮮語のすすめ』(講談社現代新書)

  2. 渡辺吉鎔著『はじめての朝鮮語』(講談社現代新書)

  3. 渡辺吉鎔著『韓国言語風景』(講談社現代新書)

写真特に1.は日本語と韓国・朝鮮語が文法構造において酷似していることを平明に解説すると同時に、日韓・日朝の言語観の違いを興味深く描き出している名著です。中学・高校の英語学習を通じて形成される外国語観を根底から是正し、隣国の人々とその文化を身近に感じさせてくれます。私もこの本との出会いをきっかけに韓国・朝鮮語を学習するようになりました。韓国・朝鮮語は、ハングルというどこか幾何学的でなじみの少ない文字をつかっているのと、発音が多少難しく感じられる(ただし、英語よりははるかに易しいですが)ために、入門の段階のハードルが高く感じられる言葉です。しかし、その段階を乗り越えてしまえば文法構造や発想が日本語とほとんど同じといっていいほど似ていますから、1年ほどまじめに勉強すれば、大学入学時の英語能力程度の運用能力をつけることができます。外国語だから難しいという先入観をなくすために、前掲の1.2.はウォーミング・アップ用として最適です。
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辞書編
韓日・朝日辞典

  1. 菅野裕臣他編『コスモス朝和辞典』(白水社 \3,700:カセットテープ \7,573)
    学習辞典の傑作で初学者必携の辞典です。見出し語は重要単語1万余語(うち最重要単語845語は大見出し)に限られていますので実用という点では不十分ですが、外国語として韓国・朝鮮語を学ぶ者にとってありがたい情報に溢れています。語義の解説は平明で要を得ており、極めて適切な例文が豊富に添えられています。例文には読み方についての便利な指示がなされており、すべての動詞にはそのアスペクト的特性(進行形になるかならないかといったようなこと)やヴォイス的特性(受動・能動の別)が明示されていることがこの辞典の最大の売り物ですが、いずれも学習者にとっては有用な情報です。巻末には非常に明晰な文字・発音解説と文法解説と簡単な和朝語彙集も付けられており、学習辞典としては万全です。また、最重要語についてはカセットテープも別売されており、美しい標準発音に接することもできます。

  2. 油谷幸利他編『朝鮮語辞典』(小学館 \7,770)
    本学の授業では2冊目の辞典としてこれを推奨しています。小学館が韓国の金星出版社との共同編集の形で出版したものですが、日本版では日本語を母語とする学習者に対する配慮が随所になされています。この規模の辞典としては最も値が張るようですが、初学者から中級者、上級者に至るまであらゆるレベルの学習者のニーズに応じられる辞典であり、コストパフォーマンスの点からしますと他の辞典の追随を許しません。

    その他、次のような辞典が出版されています。

  3. 金素雲編『現代韓日辞典』(高麗書林 \4,800)

  4. 金素雲編『精解韓日辞典』(高麗書林 \2,500)

  5. 安田吉実・孫洛範共編『韓日辞典』(三修社 \5,600)

  6. 安田吉実・孫洛範共編『エッセンス韓日辞典』(白帝社 \6,602)

  7. 天理大学朝鮮学科研究室編『現代朝鮮語辞典』(養徳社 \3,000)


日韓・日朝辞典
日韓・日朝辞典には今のところこれぞ決定版と推奨できるものがありません。下に挙げるようなものが出版されていますから、店頭でチェックして気に入ったものを購入すればいいでしょう。ただし、初歩の段階では日韓辞典はあまり必要ではありません。上に挙げた韓日辞典1.2.の日本語索引のようなもので充分です。

  1. 朴成媛著『現代日韓辞典』(高麗書林 \4,200)

  2. 朴成媛著『詳解日韓辞典』(高麗書林 \2,000)

  3. 安田吉実・孫洛範共編『日韓辞典』(三修社 \5,600)

  4. 安田吉実・孫洛範共編『エッセンス日韓辞典』(白帝社 \6,602)

  5. 林四郎他編・金貞淑『例解新日韓辞典』(三省堂 \4,854)

以上の他に韓日・日韓辞典を合本としたものとしては次のものがコンパクトで当座の用には便利である。

  1. 李寅泳監修・崔海淑編『日韓・韓日小辞典』(白帝社 \2,400)
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学習編
韓国・朝鮮語の学習人口の増加に伴い最近様々な教材が出版されています。独習用教科書のいずれにおいても文法の解説が適宜なされていますが、基礎文法を徹底的に習うには次の1.が最適です。
  1. 菅野裕臣監修・朝鮮語学研究会編著『朝鮮語を学ぼう』(三修社)
    韓国・朝鮮語の学習において最も重要な文法事項は用言の活用です。この本は用言の活用を「語基」という概念を用いて説明する語基文法の立場で書かれた基礎文法の解説書です。語基文法の利点が平明かつ体系的に説かれています。本学の韓国・朝鮮語の授業でも語基文法の立場を取っています。

    次の2点も語基文法に基づいて書かれた独習書です。
  2. 菅野裕臣著『朝鮮語の入門』(白水社)

  3. 権在淑著『表現が広がるこれからの朝鮮語』(三修社)

    伝統的な文法解説による独習書には次のようなものがあります。
  4. 金淑子著『韓国語入門』(高麗書林)

  5. 李崇寧監修・朴成媛著『標準韓国語』(高麗書林)

  6. 塚本勲・北嶋静江著『速習韓国語会話』(金星堂)

  7. 梅田博之著『NHKハングル入門』(日本放送出版協会)

  8. 早川嘉春著『エクスプレス韓国語』(白水社)

  9. 梅田博之・金東俊著『スタンダードハングル講座1 -入門・会話-』(大修館書店)

    会話関係では次のようなものがあります。
  10. 李崇寧監修・金淑子著『標準韓国語会話 -入門から実用まで-』(高麗書林)

  11. 木内明著『今すぐ話せる韓国語 -入門編-』(CD付き:東進ブックス)

  12. 韓龍茂・金安淑著『ハングル常用会話辞典』(南雲堂フェニックス)

  13. 李允希・小島ミナ著『すぐ使える!短い韓国語表現2002』(実務教育出版)

    手紙の書き方に関しては次のものが便利です。
  14. 若松實著『韓国文手紙の書き方』(高麗書林)

  15. 森下喜一・金安淑著『ハングル手紙の書き方辞典』(白帝社)

  16. 野間秀樹著『暮らしの単語集韓国語』(ナツメ社)

なお、韓国・朝鮮語を独習する方法としては、NHKテレビ・ラジオの『アンニョンハシムニカ・ハングル講座』を視聴するのが最適でしょう。ラジオテキストとCDは毎月、テレビテキストは隔月で発売されています。
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異文化理解編
写真韓国・朝鮮語の学習と同時に隣国の歴史や文化についても学んでいただきたいと思います。また、そのような知識を得ることによって言葉の学習意欲も増すでしょう。韓国・朝鮮の歴史や文化に関する本は毎年かなりの数が出版されます。その中で、手軽に読めて示唆に富んだものをいくつか紹介しておきます。
  1. 李御寧著『縮み志向の日本人』(講談社)

  2. 司馬遼太郎著『街道をゆく2 -韓のくに紀行-』(朝日文芸文庫)

  3. 司馬遼太郎他(座談会)『日韓理解への道』(中公文庫)韓国語入門』(高麗書林)

  4. 姜在彦著『ソウル -世界の都市の物語-』(文春文庫)

  5. 花房孝典著『コリア完全Q&A』(徳間書店)

  6. 黒田勝弘著『韓国人の発想』(徳間文庫)

  7. 黒田勝弘著『新韓国人の発想』(徳間文庫)

  8. 歴史教育者協議会編『知っておきたい韓国・朝鮮』(青木書店)

  9. 上坂冬子著『慶州ナザレ園』(中公文庫)

  10. 角田房子著『わが祖国』(新潮社)

  11. 梶村秀樹著『朝鮮史』(講談社現代新書)

  12. 姜在彦著『朝鮮近代史』(平凡社)

  13. 高崎宗司著『朝鮮の土となった日本人』(草風館)

  14. 長璋吉著『私の朝鮮語小辞典』(河出文庫)

  15. 安宇植著『アリラン峠の旅人たち』(平凡社)


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